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UTMB®︎の新しい大会、「Panda Trail by UTMB®︎」は中国・四川省で2020年9月25-27日に開催

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Panda Trail by UTMB®︎世界最高峰のトレイルランニング大会、UTMB®︎が展開する「by UTMB®︎」の5つ目の大会となります。

UTMB®︎のスピリットを共有する大会を世界に展開するUTMB International「Panda Trail by UTMB®︎」の第一回大会を来年2020年9月25-27日に中国・四川省の青城山(キンチェンシャン)で開催することを発表しました。

青城山は四川省の省都・成都の郊外に位置し、道教の聖地として知られる名勝地。2000年には世界遺産(文化遺産)にも登録されています。四川省はこちらも世界遺産(自然遺産)となっているジャイアントパンダの自然保護区でも知られています。

Photo by UTMB International

「Panda Trail by UTMB®︎」は120km、60km、30kmの三つのレースが開催され、コースの詳細やエントリーの手順にについては来年2020年1月20日に発表予定。同日からエントリー受付もスタートします。

大会を運営するのは同じく中国・雲南省の「Gaoligong by UTMB®︎」を開催するXingzhi Exploring Group。「Panda Trail」についてもすでに65人の参加者によるテスト大会を行うなど、準備を進めています。

他の「by UTMB®︎」の大会と同様に「Panda Trail by UTMB®︎」の完走者はランニングストーンの導入で大きく変わる2021年のUTMB®︎ Mont-Blancのエントリーで優遇されます。

ちなみにモンブランのUTMB®︎とこれまでに発表されている「by UTMB®︎」の大会は次のとおりです。

  • Oman by UTMB®(オマーン、アクダル山地) – 2019年11月28-30日、170km/130km/50km、エントリー受付中(170kmは締切済み)
  • Gaoligong by UTMB®(中国・雲南省、高黎贡山) – 2020年3月21-23日、165km/130km/55km/35km、エントリー受付中
  • Val d’Aran by UTMB®(スペイン・カタルーニャ州アラン谷) – 2020年7月3-5日、160km/101km/55km、エントリー受付中
  • UTMB Mont-Blanc®(フランス、イタリア、スイス) – 2020年8月24-30日、170km/145km/101km/55kmほか、2019年12月17日プレエントリー受付開始
  • Panda Trail by UTMB®︎(中国・四川省、青城山) – 2020年9月25-27日、120km/60km/30km、2020年1月20日エントリー受付開始
  • Ushuaia by UTMB®︎(アルゼンチン、ティエラ・デル・フエゴ州ウシュアイア) – 前回は2019年4月5-7日、130km/70km/50km/35km、次回開催日程についてはまもなく発表予定

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完全にリサイクル可能なシューズも。サロモンがサスティナブルプログラム「Play Minded Program」を発表

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自然を直接楽しむアウトドア・アクティビティではサスティナブル(持続可能性)であるかどうかを気にせずにはいられなくなりつつあります。

サロモンはその事業において持続可能性を考慮すること、短期から中長期にわたる目標を設定することを含む独自のサスティナブル・プログラムである「Play Minded Program」を発表しました。

具体的な目標の一つとして2030年を目処に同社の事業活動におけるCO2排出量を30%削減すること、2023年までに有機フッ素化合物類(PFCs)使用の全廃を掲げています(従来、PFCsは繊維などの撥水加工で用いられることが多いようです)。

気になる製品づくりにおいては2025年までに自社で発生した廃棄物の70%をリサイクルまたは再利用するという目標を設定。その第一歩として「100%完全にスキーブーツへとリサイクル可能なシューズ」の開発を発表しています。サロモン本社のアネシー・デザインセンター(フランス)で開発されているのはロード・ランニング向けのパフォーマンスモデル。独自の技術によりアッパーもソールも全てがTPU(熱可塑性ポリウレタン)でできているというコンセプトシューズです。このシューズは寿命を迎えると裁断して新しい素材を配合した後に、アルパインスキー用のスキーブーツのシェルへと生まれ変わることになります。このシューズは2021年を目標に製品として発売することが予定されています。

レースを想定したパフォーマンス用途のランニングシューズといえば、ミッドソールはEVA樹脂といった具合にパーツごとに異なる素材を用いることが多く、リサイクルは難しいんだとか。全てTPU素材で作られるサロモンのランニングシューズは画期的な存在となります。そしてサロモンはスキーブーツでは世界最大のトップメーカー。ランニングからスキーへのリサイクルは、サロモンらしいサスティナブルの追求のやり方だといえそうです。

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HOKA ONE ONEがウェスタンステイツ Western States 100の公式メインスポンサーに

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HOKA ONE ONEがアメリカの伝統ある100マイルレースとタッグを組むことになりました。

アメリカ・カリフォルニア州で毎年6月に開催されるウェスタンステイツ Western States 100-Mile Endurance RunHOKA ONE ONE® ホカ オネオネ™️ を大会公式メインスポンサー(presenting sponsor)とすることを発表しました。これにともない、各レースの男女それぞれ2選手がウェスタンステイツへの出場権を獲得できるゴールデンチケット・シリーズも「ホカ オネオネ ゴールデンチケットレース HOKA ONE ONE Golden Ticket Races」へと名称を変えることになります。このシリーズは来年1月から4月にアメリカで開催される4つの大会から構成されます。

もともと開催されていた100マイルのトレイルを乗馬で踏破するという大会で、乗る予定の馬が直前に故障してしまったために馬なしで参加すると言い出した若者がいました。1974年、人間の足で24時間以内に100マイルを走破できるはずがないと誰もが思っていた中でその若者、ゴーディ・アインズレーは23時間42分で100マイルを完走。これがアメリカにおける100マイルトレイルランニングレースの始まりとなりました。

以来、ウェスタンステイツはアメリカを代表するウルトラマラソン、トレイルランニングのレースとして注目を集めるようになり、この大会での活躍を通じてこのスポーツのスターとして知られる選手たちを輩出してきました毎年6月の最終週の金曜日にカリフォルニア州スコーバレーをスタートするレースには全米だけでなく世界中から応募して抽選などを経て出場権を得た369人の選手が参加。フィニッシュとなるオーバーンのプレーサー・ハイスクールのスタジアムに向けて完走を目指します。

来年2020年のウェスタンステイツは6月27-28日に開催。出場申し込みは今年11月9日から16日(土曜日)となっており、抽選は12月7日に行われます。

なお、「ホカ オネオネ ゴールデンチケットレース HOKA ONE ONE Golden Ticket Races」の日程は次のとおりです。

  • 2020年1月11日 HOKA ONE ONE Bandera 100k(テキサス州バンデラ)
  • 2020年2月15日 Black Canyon 100k(アリゾナ州スプリングバレー)
  • 2020年3月28日 Georgia Death Race 74m(ジョージア州ドーソンビル)
  • 2020年4月11日 Lake Sonoma 50 miler(カリフォルニア州ソノマ湖)
  • 2020年4月25日 The Canyons 100k(カリフォルニア州フォレストヒル)
Unbreakable: The Western States 100 Unbreakable: The Western States 100

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【映像作品】「Nuits Blanches 〜眠れない夜〜」

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自ら体験していること、目の前で起こっていることを、一歩間をおいて見つめ直してみるととんでもない美しさに驚くことがあります。

Stravaでは今年開催されたUTMB®︎ の「夜」をテーマにした約7分のショートムービー「Nuits Blanches 〜眠れない夜〜」を公開しました。実際にレースを走ったアスリートや大会関係者の体験談を神秘的な夜のモンブランの風景とともにまとめた作品で、日本の田中”JR”裕康 Hiroyasu Tanakaも登場します。

制作に当たったのはトレイルランニング、スカイランニングなどの分野で活躍するフランスのフォトグラファー、アレクシス・バーグ Alexis Berg。この4年間、UTMB®︎ではStravaのフォトグラファーとして撮影にあたっており、その経験が今回の映像に結実することになりました。

アレクシス・バーグは今回の作品について次のコメントを添えています。

「 “Nuits Blanches” は眠れない夜への言及であり、モンブランに焦点を当てた作品です。今年のUTMBは18時スタートだったので、ランナーたちは夜から走り始めることになります。トップランナーは長い夜を走り抜けますが、殆どのランナーは二夜レースの中で過ごします。二晩も走り続けるんですよ。人によっては夜のほうが昼の時間よりも長いレースです。今回は純粋なスポーツやパフォーマンスという切り口から敢えて外して、その様子を伝えています。

作品の中では、誰がレースを優勝したかなどではなく、アスリートの体験について触れています。長年このスポーツの写真を撮っているので、こういったテーマは描写するのが難しくもあり、でも最もおもしろい部分の一つでもあることを知っています。

静寂の中にも、風景の移り変わりがあるからです。ランナーが放つ数千もの光が、山の美しさを別の角度から物語ってくれます。」

「Nuits Blanches 〜眠れない夜〜」はYouTubeで無料配信中。YouTubeの機能を使った日本語字幕と一緒に観ることもできます。

Grand Trail: A Magnificent Journey to the Heart of Ultrarunning and Racing Grand Trail: A Magnificent Journey to the Heart of Ultrarunning and Racing

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【イベント告知】ゲディミナス・グリニウス Gediminas Griniusと松永紘明によるUTMF完走対策キャンプ・1月11-13日開催

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好評の前回に続いて、来年1月に開催。UTMFの試走も兼ねた充実したトレーニングキャンプです。

2015年のUTMFチャンピオン、翌年2016年にはUltra-Trail World Tourの年間シリーズチャンピオンとなっているゲディミナス・グリニウス Gediminas Grinius(リトアニア)が来年1月に来日。松永紘明 Hiroaki Matsunagaとコンビを組んで富士山麓で「UTMF完走対策キャンプ」を開催します。

三日間のトレーニングキャンプではUTMFのコースをグリニウス・松永の両選手と走り、続いて室内でのレクチャーやQ&Aのセッションが続くという内容。三日間続けて参加すれば、UTMFのコースのうち試走できるセクションの100km以上をカバーできるのも魅力です。

松永紘明さんからのメッセージは次の通り。

2020年も公私共に交流がある世界チャンピオンGediminas選手とトレーニングキャンプを開催することになりました。彼の強さは、どんな時も家族や仲間を大切にし思いやる深く大きな心と、軍人としてイラク派遣で生き死にを見てPTSDを患い、そこから復活した精神的な経験です。そんな背景を持つ魅力的なGediminas選手を日本の一人でも多くの方に知っていただきたいとの想いから、2019年にもGediminas選手をお招きさせて頂きましたが、大変好評頂いた為、2020年も日本へ来日してくれる事となりました。

2020年は、実際にUTMFコースを使って実践的な3日間の大ボリュームです!

ぜひともこの機会に心を揺さぶられるような【人生が変わるきっかけ】をご提供出来ればと思います。

1月の富士山麓は厳しいコンディションですが、このトレーニングキャンプを経験すればUTMFの完走に向けて自信が持てそうです。

  • 開催日:2020/01/11 – 2020/01/13(土~月祝)
  • 集合場所:レイクホテル西湖 ロビー
  • 定員 :【3日コース】20名、【1日コース】各日5名

詳細と参加申し込みは下のリンク先からご覧ください。

≪救急トイレ(QQトイレ)迷彩柄(高品質)3個セット≫世界最小の折り畳み携帯・簡易トイレ(第1回UTMF(ウルトラ・トレイル・マウント富士)大会公認携帯トイレ) ≪救急トイレ(QQトイレ)迷彩柄(高品質)3個セット≫世界最小の折り畳み携帯・簡易トイレ(第1回UTMF(ウルトラ・トレイル・マウント富士)大会公認携帯トイレ) “2019年”「UTMFオリジナルやまつみ」1/150,000 “2019年”「UTMFオリジナルやまつみ」1/150,000

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今年一番がんばった人たち。11人がSTRAVA JAPAN AWARD 2019を受賞

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コツコツ積み上げていく努力は尊い。STRAVAを通じて改めてそんな気がしました。

STRAVAでは過去1年間にメンバーが投稿した日本国内のランおよびサイクルのアクティビティ記録をもとに、最も優れた記録を残したアスリートを「STRAVA JAPAN AWARD」として表彰することを発表。あわせて第一回となる2019年の受賞者を発表しました。

受賞者はランおよびサイクル(ライド)のそれぞれで、アクティビティの距離(ディスタンス)、移動時間(ムービングタイム)、累積獲得高度(エレベーション)のそれぞれについて1年間の合計が最も多かった、男女それぞれのアスリートについて計12部門を選出。加えて特別賞としてStrava Japan Clubで毎月行っているすべてのラン、サイクルのチャレンジを達成したアスリート、およびこの1年で最も多くのKudos(すごい)を得たアクティビティをシェアしたアスリートの2部門が選出されました。

  • 最長合計ディスタンス
  • 最長合計ムービングタイム
    • ウィメンズ・ライド:佐藤恵莉奈さん(1001時間45分7秒)
    • メンズ・ライド:熊谷貢さん(1523時間40分26秒)
    • ウィメンズ・ラン:渥美ゆかさん(601時間19分53秒)
    • メンズ・ラン:大貫裕輔さん(877時間26分31秒)
  • 最大合計エレベーション
  • Strava Japan Club Challenge Finisher
    • 筒井宏祐さん(ラン、ライドについてStrava Japan Clubで設定された全てのチャレンジを達成)
  • アクティビティ・オブザイヤー
    • 上山光広さん(最も多くのKudosを得たアクティビティをシェア)

東京で行わた授賞式では受賞者の皆さんがコメント。メンズ・ランのディスタンスとムービングタイムの両部門で受賞の大貫裕輔さんは仕事柄土日に開催するマラソン大会に出ることはなく、専ら健康維持のために走っているとのこと。「こうした形で表彰されて驚きました。走る以外ではあまり外出しないインドア派です。」と笑顔を見せました。

大貫裕輔さん

大貫裕輔さん

メンズ・ランのエレベーション部門で受賞した田中”JR”裕康さんは100マイルのようなウルトラディスタンスのトレイルランニングで好成績を上げているアスリート。当サイトでもインタビューしたことがあります。トレイルランニングのトレーニングでは「獲得標高が大きな要素」。表彰式の後は高尾山エリアで夜間のトレーニングの後、今週末に台湾で開催の104kmのトレイルランニングレースに出場するため、慌ただしく会場を後にしました。

田中裕康さん

田中裕康さん

ウィメンズ・ランのムービングタイム部門は渥美ゆかさんが受賞。今回エレベーション部門で受賞の田中裕康さんがコーチを務めるランニングチームで練習するうちにStravaを知るようになります。「走ることは食事をしたり、寝たりするのと同じくらい自分が生きていく上でかかせない日々のルーティーン」だといいます。

渥美ゆかさん

渥美ゆかさん

特別賞受賞の上山光広さんは100日間、毎日欠かさず42.195kmを走る「100日連続マラソン」に挑戦して見事達成。その最終日のランが日本で今年一番多くのKudosを集めることになりました。「次は100日間、毎日100kmを走ることに挑戦します」とさらに大きな目標に取り組むことを宣言しました。

上山光広さん

上山光広さん

このほか、会場では世界中で4800万人以上のStravaに登録しているアスリートが記録した日々のアクティビティを集計、分析した結果についてもプレゼンテーションが行われました。その内容については、後日当サイトでご紹介する予定です。

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何が変わった?アスリート注目の全部入りスポーツ・スマートウォッチ、Garmin fēnix 6 シリーズ・レビュー(前編)

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今年8月、UTMB®︎が開催されていたシャモニーでGarminのfēnix 6シリーズが発表されました。トレイルランニング・ファンの間ではGarminのスポーツウォッチは定番のアイテム。アウトドアスポーツに必要な機能をフル装備するfēnixの新シリーズのお披露目の場として、世界で最も有名なトレイルランニングレースを選んだところからは、Garminの本気が伝わってきます。

当サイトにもGaminからfēnix 6シリーズのウォッチを提供していただき、2週間の間に数回の充電した以外はずっと左腕につけ続けてその機能を試しています。結論からいえば、fēnix 6シリーズは機能満載で柔軟にカスタマイズ可能な最強のスポーツウォッチ、スマートウォッチ。特に日常的にスポーツをしている人、自分の身体のフィットネス(健康さ)という点から生活の質をキープしたいという人なら、文字通り24時間肌身離さず活用したいアイテムだ、という結論に至りました。

Garmin fēnix 6X Sapphire Black DLC

Garmin fēnix 6X Sapphire Black DLC

この記事では外観・機能編としてfēnix 6の概要を紹介します。別途、続編として実際に当サイトの中の人が活用している様子を紹介する予定です。

fēnix 6シリーズの中でもサイズが大きく、バッテリー稼働時間が長い「6X」ではディスプレイのサイズ、解像度が向上してさらに見やすくなった。

fēnix 6シリーズの中でもサイズが大きく、バッテリー稼働時間が長い「6X」ではディスプレイのサイズ、解像度が向上してさらに見やすくなった。

スマートウォッチは場合に応じて使い分ける、でもできるなら一つにまとめたい

トレイルランニングを始めてから、走る時にはGPS機能の付いたランニングウォッチが手放せません。トレーニングのビルドアップ走では手元でラップタイムを確認、後で振り返ることができるので独りでも質の高い練習に。リアルタイムで心拍数をモニターすると、どれくらい追い込めているかが客観的に分かるので充実感があります。トレイルを走った後にウォッチで取ったGPSログを見るのはランニングの後の楽しみ。登りや下りでどれくらい自分が頑張ったか確かめます。地図上で自分が走ったコースを見直しているうちに、あの分岐をこっちに進めばあの山に行けるといった具合に新しいコースのアイデアも浮かんできます。

一方、最近ではスマートフォンと連携したり、運動量や健康状態をトラッキングできる「スマートウォッチ」が人気で、各社からさまざまな製品が発売されています。最近の私もランニングウォッチとしてはSuunto 9 BaroとGarmin fēnix 5 Plusを使っていて、さらに最近発売されたApple Watch Series 5も使うようになりました。Suuntoはバッテリーの持ちやGPSログを補正する独自機能、Garminはスマートフォンとの連携の良さやアプリ機能によるカスタム性の高さがそれぞれ魅力。一方Apple Watchは小さくて軽く、iPhoneなどAppleの製品との連携が魅力ですが、1日に一度は充電することになります。いろいろ試行錯誤した結果、こうしたスマートウォッチはそれぞれ強みとする機能や用途があるので場合に応じて使い分けるほかない、というのがとりあえずの結論です。というわけで私の腕には左右それぞれにスマートウォッチが常に装着されている次第。

筆者の手元にあるスポーツウォッチ、スマートウォッチ。左からSuunto 9 Baro、fēnix 5 Plus、fēnix 6X、Apple Watch Series 5 (40mm)。

筆者の手元にあるスポーツウォッチ、スマートウォッチ。左からSuunto 9 Baro、fēnix 5 Plus、fēnix 6X、Apple Watch Series 5 (40mm)。

そんな私のもとにやってきたfēnix 6を、とりあえず先行モデルのfēnix 5 Plusと入れ替わりで使い始めました。しかし歴代のGarminウォッチの長所にさらに磨きがかかったこの新モデルを使い始めたら、もうこれだけ左腕につけておけばいいのかもしれないとも思うようになりました。

6X、6、6Sの三つのライン、太陽光を利用する注目の「Pro Dual Power」もまもなく発売

fēnix 6シリーズは主に「サイズ・バッテリー稼働時間」と「プラスアルファのプレミアムなスペック」の二つの軸で製品が展開されています。「サイズ・バッテリー稼働時間」では次の三つに大きく分かれます。

  • 「6X」:直径51mm・厚み14.9mm、バッテリー稼働時間がスマートウォッチモードで最大21日間、GPS+光学心拍計モードで最大60時間
  • 「6」:直径47mm・厚み14.7mm、バッテリー稼働時間がスマートウォッチモードで最大13日間、GPS+光学心拍計モードで最大36時間
  • 「6S」:直径42mm・厚み13.8mm、バッテリー稼働時間がスマートウォッチモードで最大9日間、GPS+光学心拍計モードで最大25時間

一方、「プラスアルファのプレミアムなスペック」には次のような点があります。ただ、これらのスペック違いのモデルが6X、6、6Sの全てに展開されているわけではなく、例えばディスプレイにサファイアレンズを使わないエントリーモデルは6と6Sのみとなります。

  • ディスプレイ:耐スクラッチ性に優れたサファイアレンズを用いた「サファイアエディション」
  • バンド:シリコンに替えてナイロンやレザー、チタニウムを使ったモデル
  • ベゼル:ステンレスに替えてDLC(ダイヤモンドライクカーボン)コーティングステンレス、チタニウムを使ったモデル

これらに加えて、今回のfēnix 6シリーズの目玉としてシャモニーでの発表会でも注目を集めたのがディスプレイに太陽光充電機能を持つパワーグラスを使用した「fēnix 6X Pro Dual Power」の各モデル。太陽エネルギーを利用することでバッテリーがさらに長く持つといい、バッテリー稼働時間はスマートウォッチモードで最大24日間、GPS+光学心拍計モードで最大66時間に。一方、サイズは6Xと同じですが重量は6Xのサファイアモデルが93gであるのに対して82gと軽量化されています。「fēnix 6X Pro Dual Power」は「今冬発売予定」となっています。

太陽光による充電でバッテリー稼働時間をのばすことができるfēnix 6X Pro Dual Powerはまもなく発売予定。

太陽光による充電でバッテリー稼働時間をのばすことができるfēnix 6X Pro Dual Powerはまもなく発売予定。(Garminのウェブサイトより)

前シリーズと外径は同じでより薄く、ディスプレイはより大きく、バッテリー関連の機能が向上

筆者のようにすでにfēnixシリーズを愛用している人たちにとっては、fēnix 6シリーズの新しくなった点が気になるところです。ここではfēnix 5 Plusシリーズからの変更点を紹介します。

まず細かいところでは、ウォッチの外径は同じですがケースからバンドを留めるために伸びている突起が短くなりました。例えば「fēnix 5X Plus」各モデルと「fēnix 6X」各モデルのサイズは直径51mmなのですが、そこから伸びている突起は前者の11mm(筆者の手元にある、「fēnix 5X Plus」よりひと回り小さい「fēnix 5 Plus」を測りました)に対して後者は9mm。わずかな差ですがフィット感が高まっています。特に外径が小さい「fēnix 6S」ではさらにメリットが大きいはずで腕の細い人にとっては大きな改善点でしょう。

上が「6X」、下が「5 Plus」でバンドを取り外してある。「6X」の方がバンド取り付け部の突起が小さく、ケースにくぼみを持たせることでケースからの出っ張りが小さくなっている。

上が「6X」、下が「5 Plus」でバンドを取り外してある。「6X」の方がバンド取り付け部の突起が小さく、ケースにくぼみを持たせることでケースからの出っ張りが小さくなっている。

ケースの厚みはfēnix 5 Plusシリーズの各モデルと比べてfēnix 6シリーズは薄くなりました。例えば「fēnix 5X Plus」各モデルの17.5mmに対して「fēnix 6X」各モデルは14.9mm。外径の小さい「5S Plus」は15.4mmから「6S」で13.8mmとなっているのですが、これは同じGarminの「ForeAthlete 945」の13.7mmに迫る薄さ。fēnixシリーズのケースの厚みが気になってForeAthleteシリーズを選んでいた人には朗報です。

fēnix 5 Plusシリーズでは「5X Plus」、「5 Plus」、「5S Plus」で外径の大きさが異なるものの、ディスプレイは直径30.5mm(240×240ピクセル)で同じでした。しかし、fēnix 6シリーズでは最も外径の小さい「6S」は「5S Plus」と同じですが、「6」は直径33.02mm(260×260ピクセル)、「6X」では直径35.56 mm(280×280ピクセル)とディスプレイのサイズが大きく、解像度が高くなっています。手元の「6X」は解像度が高くなったことでスクリーンの情報が見やすくなりました。日本語フォントがさらに滑らかで見やすくなったことにも気づきます。

トレイルランニングやウルトラマラソンを走る人、数日にわたるステージレースやバックパッキングを予定している人にとっては、fēnix 6シリーズで強化されたバッテリー関連の機能に注目です。fēnix 5 Plusシリーズと比べて、同じ使い方でバッテリー稼働時間が延びているのに加えて、機能を制限することで数週間から数ヶ月にわたって充電が不要な「Expeditionモード」、「バッテリー節約ウォッチモード」が新たに加わったほか、バッテリーに関係する機能の設定を細かく確認してカスタマイズが可能な「パワーマネージャー」機能が設けられています。それぞれのバッテリー稼働時間をまとめると次の通り。

6S 6 6X 5S Plus 5 Plus 5X Plus
スマートウォッチモード 最大9日間 最大13日間 最大21日間 最大6日間 最大10日間 最大18日間
GPS+光学心拍計 最大25時間 最大36時間 最大60時間 最大10時間 最大18時間 最大30時間
GPS+音楽再生+光学心拍計 最大7時間 最大11時間 最大16時間 最大4時間 最大7時間 最大11時間
UltraTracモード 最大30時間 最大42時間 最大70時間 最大22時間 最大38時間 最大64時間
Expedition モード 最大16日間 最大22日間 最大36日間
バッテリー節約ウォッチモード 最大27日間 最大38日間 最大64日間

従来からある「UltraTracモード」はGPSデータの取得頻度を減らすことでバッテリー稼働時間を延長するGPSモードで、ウルトラマラソンやトレイルランニングに適したモードです。

これに対して新たに加わった「Expedition モード」はスマートフォンとの Bluetooth接続や光学心拍計などの機能をシャットダウンしてGPSデータの取得を1時間に一回(頻度は設定で15分から90分まで変更可能)に減らすことでGPSログを取り続ける、というもの。例えばアメリカのロングトレイルをスルーハイクするというような、途中で充電できないところを何週間もかけて行動する、というシーンを想定しているようです。

アクティビティの選択メニューの中に「エクスペディション」というアクティビティがある。

アクティビティの選択メニューの中に「エクスペディション」というアクティビティがある。

「エクスペディション」を起動したところ。メイン画面はバッテリー消費を減らすためシンプル。デフォルトでは1時間に1回、GPS信号を取得。写真のfēnix 6Xなら満充電から最大36日間、充電なしで稼働する。

「エクスペディション」を起動したところ。メイン画面はバッテリー消費を減らすためシンプル。デフォルトでは1時間に1回、GPS信号を取得。写真のfēnix 6Xなら満充電から最大36日間、充電なしで稼働する。

「エクスペディション」のデータ画面の二枚目。これらの表示項目や、省電力のための機能を絞り込む設定はカスタマイズできる。

「エクスペディション」のデータ画面の二枚目。これらの表示項目や、省電力のための機能を絞り込む設定はカスタマイズできる。

一方、「バッテリー節約ウォッチモード」はアクティビティをしていない間にウォッチの各種機能をシャットダウンするというもの。スマートフォンとの接続、光学心拍計などのセンサー類がオフになるので、歩数などのトラッキング機能がオフとなり、ディスプレイには時刻(秒表示はなし)と日付、バッテリー残量のみが表示されます。ただし、ランニングなどのアクティビティ中はフルに機能します。これは日常的に使っていて充電するタイミングがなくてバッテリー残量がわずかなことに気付いた時に使えそう。他にも、レースのスタート直前までバッテリー消費を抑えたいという場面でも使えるかもしれません。

左上ボタンを押すと表れる「コントロール」の中で「バッテリー節約ウォッチモード」のオン・オフを切り替えることができ、現在のバッテリー残量でそれぞれの場合に何日間稼働するかの目安も表示される。

左上ボタンを押すと表れる「コントロール」の中で「バッテリー節約ウォッチモード」のオン・オフを切り替えることができ、現在のバッテリー残量でそれぞれの場合に何日間稼働するかの目安も表示される。

左中ボタンを長押しすると合わられるメニューの中にある「パワー管理」の中で「バッテリー節約ウォッチモード」をカスタマイズできる。

左中ボタンを長押しすると合わられるメニューの中にある「パワー管理」の中で「バッテリー節約ウォッチモード」をカスタマイズできる。

「バッテリー節約ウォッチモード」の設定画面。デフォルトの設定からシャットダウンする機能を選び直すことができる。

「バッテリー節約ウォッチモード」の設定画面。デフォルトの設定からシャットダウンする機能を選び直すことができる。

「パワーマネージャー」機能はバッテリーの稼働時間に影響する機能を細かく設定できる、という機能。他社製品のSuunto 9にあるのと同じような機能です。「バッテリー節約ウォッチモード」について音楽、スマートフォン接続、WiFi接続、ライフログ取得、光学式心拍計、バックライトのそれぞれについてオン・オフを設定可能。さらにランニングなどのアクティビティ中の「パワーモード」をカスタマイズして設定を保存しておくことが可能です。次の設定項目があり、それぞれバッテリー稼働時間に何時間のプラスまたはマイナスとなるか確認しながら設定ができるようになっています。

  • GPS:「標準」、「Ultrac」、「GPS+GLONASS」、「GPS+GALILEO」
  • 音楽機能:有効、無効
  • スマートフォン:接続、未接続
  • 光学式心拍計:オン、オフ
  • 地図機能:オン・オフ
  • ディスプレイ:オン・オフ
  • バックライト:オン・オフ
  • 外部センサーなどのアクセサリー:接続、未接続
それぞれのアクティビティを起動(写真)。アクティビティを右上ボタンでスタートさせる前に左下ボタンを押すとオプション画面が開く。

それぞれのアクティビティを起動(写真)。アクティビティを右上ボタンでスタートさせる前に左下ボタンを押すとオプション画面が開く。

オプション画面を開いたところ。メニューからパワーモードを選ぶとバッテリー稼働時間に影響する機能のオンオフの設定を選択できる。

オプション画面を開いたところ。メニューからパワーモードを選ぶとバッテリー稼働時間に影響する機能のオンオフの設定を選択できる。

パワーモードの設定はデフォルトではそのスポーツに適した設定となっている。それを上の「バッテリー最長モード」を選択するとGPS取得をUltracモードにして、光学心拍計、スマートフォン接続、音楽機能がオフとなり、満充電時にはバッテリー時間が120時間となる(6Xの場合)。

パワーモードの設定はデフォルトではそのスポーツに適した設定となっている。それを上の「バッテリー最長モード」に変更するとGPS取得をUltracモードにして、光学心拍計、スマートフォン接続、音楽機能がオフとなり、満充電時にはバッテリー時間が120時間となる(6Xの場合)。

レース戦略を組み立てて、本番で進捗を確認できる新機能「PacePro」

もう一つ、fēnix 6シリーズに新たに登場した注目の新機能が目標タイムに対してペース展開を予め算出して、本番ではその進捗状況を確認しながら走ることができるという「PacePro」という機能。

例えばロードのフルマラソンを走る場合にサブフォー(4時間以内の完走)を目標とするなら、レースを通してキロ5分41秒のペースをキープすることが目標になります。しかし、レース中にはいわゆるネガティブスプリット(レースの前半に比べて後半でより速いペースで走る)のがよい、といわれることがあります。「PacePro」では「ペース戦略」というスライダーをネガティブスプリットとポジティブスプリット(レースの前半により速いペースで走る)の間で調整することで、レース中のラップごとのスプリット・タイムを算出。そのデータをfēnixに同期することで、レース中には設定したペースと実際の自分のペースを比較しながら走ることができます。

スマートフォンアプリ「Garmin Connect」でPacePro機能の設定をするところ。ここでは「レース距離を選択」を選んでみる。

スマートフォンアプリ「Garmin Connect」でPacePro機能の設定をするところ。ここでは「レース距離を選択」を選んでみる。

マラソンのPacePro戦略の設定画面。初期状態ではスタートからフィニッシュまで5分41秒/キロのイーブンペースでサブフォーとなる。

マラソンのPacePro戦略の設定画面。初期状態ではスタートからフィニッシュまで5分41秒/キロのイーブンペースでサブフォーとなる。

「ペース戦略」のスライダーを右のマイナス側に動かすと、レース後半でペースを上げる「ネガティブスプリット」に。スタートは6分2秒/キロだが、最後は5分22秒/キロまで上げることになる。

「ペース戦略」のスライダーを右のマイナス側に動かすと、レース後半でペースを上げる「ネガティブスプリット」に。スタートは6分2秒/キロだが、最後は5分22秒/キロまで上げることになる。

ただ、トレイルランニングの場合はコースに高低差の変化があってロードのマラソンのようにはいきません。でもご心配なく。Garmin Connect(PCのブラウザ上のウェブアプリまたはスマートフォンアプリ)で作成したコースについて「PacePro」機能を使うこともでき、この場合は最初に高低差を考慮して調整したそれぞれのラップのスプリット・タイムがいわばイーブンペースとして算出されます。そしてこれに対して「ペース戦略」を適用することができます。さらに高低差のあるコースに対してはもう一つ「上り坂の運動量」というスライダーもアプリに現れます。これは登りをハードに攻めるか、イージーにこなすかという選択。短めのレースならスライダーをハードの方に調整する人もいるでしょう。長いレースではイージーにしておいた方が後半でペースが維持できるかもしれません。

Garmin Connectにはコースを保存しておく機能がある。コースは過去のアクティビティからやGarmin Connectのコース作成機能を使って作るが、GPX形式などのファイルをインポートして作ることもできる。ここでは今年2019年のUTMFのコースをインポートして作ったコース(最上段)を選んでみる。

Garmin Connectにはコースを保存しておく機能がある。コースは過去のアクティビティからやGarmin Connectのコース作成機能を使って作るが、GPX形式などのファイルをインポートして作ることもできる。ここでは今年2019年のUTMFのコースをインポートして作ったコース(最上段)を選んでみる。

目標時間を設定。19時間36分26秒は今年男子優勝のグザビエ・テベナール選手のタイム。

目標時間を設定。19時間36分26秒は今年男子優勝のグザビエ・テベナール選手のタイム。

UTMFのコースをPaceProの戦略作成機能に読み込んだところ。

UTMFのコースをPaceProの戦略作成機能に読み込んだところ。

UTMFのコースの高低差を考慮して「イーブンペース」が算出されている。下りではスプリットタイムが短く設定されている。

UTMFのコースの高低差を考慮して「イーブンペース」が算出されている。下りではスプリットタイムが短く設定されている。

グザビエ・テベナール選手の優勝タイムを目標に「ペース戦略」、「上り坂の運動量」のスライダーを動かしてスタートからフィニッシュまでのラップタイムを調整する。実際のエイド通過タイムを参考にテベナール選手の戦略をシミュレーションすると、「極端にポシティブスプリット」で「登りはイージー」ということになった。前半はレース展開をみながら進むが後半にリードを確保したら無理をしない、という戦略なのかもしれない。このPacePro戦略をfēnix 6に取り込んで、手元で進捗をみながら走ることができる。

グザビエ・テベナール選手の優勝タイムを目標に「ペース戦略」、「上り坂の運動量」のスライダーを動かしてスタートからフィニッシュまでのラップタイムを調整してみた。実際のエイド通過タイムを参考にテベナール選手の戦略をシミュレーションすると、「極端にポシティブスプリット」で「登りはイージー」ということに。

ストイックに自己ベスト更新や目標タイムの達成を目指すシリアスなランナーには、「PacePro」は気になる機能でしょう。ただ、トレイルランナーの場合は細かくペースを意識して走ることに興味がない人も多いかもしれません。でも、トレイルの登りでどれくらいゆっくりしていてもいいかの目安になるとすれば、結構役に立つ機能に思えませんか?

まとめ:一つのウォッチに全てが集約されている魅力

Garminの製品の中では「プレミアムマルチスポーツGPSウォッチ」と位置付けられるのがfēnixシリーズ。ランニングやバイク(自転車)、スイム、ハイキング、ローイング(ボート)、スキー、ゴルフなどなど様々なスポーツに適した機能に、ライフトラッキングによる健康管理や音楽機能、スマートフォンと連携した通知などのスマートウォッチ機能を備えたいわば「全部入り」の製品です。

その最新モデルのfēnix 6シリーズは紹介し切れないほど多機能。これほど多機能だと、どのボタンを押して機能を呼び出したらいいか迷うことがあるのも正直なところ。あと、筆者が使用している「fēnix 6X Sapphire Black DLC」は重さが93g。並行して使っているApple Watch Series 5の40mmアルミニウムケースモデルと比べるとかなり大振りでずっしりと感じるのは確かです。Apple WatchやGaminの他のモデル、あるいは他社のスポーツウォッチでも、fēnix 6シリーズの持つ機能の多くはカバーされています。

でも実際にfēnix 6シリーズを使ってみると、やっぱりこの一つのウォッチに全てが集約されているのが魅力です。日々の近くでのランニングから、トレイルを走る計画を立てて無事に走る終えるまで、どんなアクティビティも安全で実りあるものにできる。日々ほどほどに体を動かして「整った」状態を保つ。いつも腕に着けたウォッチで最新の情報を確認して、音楽を聞いたり、電子マネーを使ったりすることで、スマートフォンからちょっと自由になれる。それを一つに詰め込んだ究極の形がfēnix 6シリーズです。

このレビュー記事では前編としてfēnix 6シリーズのスペックや注目の新機能を紹介しました。追って公開予定の後編では実際に筆者がランニングや日々の生活の中で便利で気に入っている機能を具体的に紹介したいと思います。

GARMIN(ガーミン) fenix 6X Sapphire Black DLC 音楽再生機能 マルチスポーツ型GPSウォッチ 最大21日間稼働 【日本正規品】 GARMIN(ガーミン) fenix 6X Sapphire Black DLC 音楽再生機能 マルチスポーツ型GPSウォッチ 最大21日間稼働 【日本正規品】

投稿 何が変わった?アスリート注目の全部入りスポーツ・スマートウォッチ、Garmin fēnix 6 シリーズ・レビュー(前編)DogsorCaravan トレイルランニング・スカイランニングのオンラインメディア に最初に表示されました。

「過去最高の走りで締めくくれた」上田瑠偉・スカイランナーワールドシリーズ優勝報告会レポート

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夢を実らせたプリンスの次の目標も語られました。

今年2019年のスカイランナー・ワールドシリーズ MIGU RUN Skyrunner World Seriesで年間シリーズチャンピオンとなった上田瑠偉 Ruy Ueda 選手。12月4日にはメディア等の関係者を対象にした優勝報告会が行われました。

報告会では今年一年間のシリーズ戦を上田さんが振り返りました。オリオル・カルドナ Oriol Cardonaを相手に9秒差で優勝した粟ケ岳スカイレースに始まった今年のシリーズ戦の途中では、現地入りしてレース直前に感じた脚の違和感でレースを見送ったことも。

カルドナとの間で年間チャンピオンの座を争うことになった10月のシリーズ最終戦、スカイマスターズでは一度はカルドナにリードを奪われながらもわずか12秒差でレースを制することに。このドラマチックな勝利について上田さんは「オリオルと競い合うことで過去最高の走りができた。勝ったレースで号泣してしまったのは初めてだった」と振り返りました。

来年にはフランスのアルプスの麓に移り住んで、さらに競技に打ち込むという上田さん。報告会の最後には今後の目標も語られました。それは来年のスカイランニング世界選手権(7月、スペイン)でのトップ3入りに始まり、2023年にはウルトラトレイルに再挑戦して2026年にUTMB®︎で優勝する、というもの。

トレイルランニング、スカイランニングのプリンスとして日本から世界に挑戦して結果を出した上田さんには、これからも注目が集まることになりそうです。

ESS CROSSBLADE NARO 上田瑠偉モデル ESS CROSSBLADE NARO 上田瑠偉モデル 極限力 ~Beyond Self~ 極限力 ~Beyond Self~

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2020年ウルトラトレイル・ワールドツアー Ultra-Trail World Tourのシリーズ戦が発表に。#UTWT

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UTWT-Ultra Trail World Tour logo昨日12月12日に今シーズンのウルトラトレイル・ワールドツアー Ultra-Trail®︎ World Tour(UTWT)の表彰式が開催され、あわせて来年2020年の日程が発表されました。2014年に始まったウルトラトレイル・ワールドツアーUltra-Trail®︎ World Tourは来年で7シーズン目。今年のUTWT Discovery Raceや「by UTMB®︎」のレースなどから新たに8つのレースが加わって全部で28のレースから構成されます。

新たに加わったのは今年のUTWT Discovery Raceからホエーラーズグレートルート・ウルトラトレイル Whalers’ Great Route Ultra-Trail®︎(ポルトガル)、トランス・チェジュ Trans Jeju(韓国)、ウルトラトレイル・ニンハイ Ultra-Trail®︎ Ninghai(中国)の三つ。「by UTMB®︎」ではガオリゴン Gaoligong by UTMB®︎(中国)、バル・ダラン Val d’Aran by UTMB®︎(スペイン)、オマーン Oman by UTMB®︎(オマーン)の三つ。加えてVVX ヴォルビック・ボルカニックエクスペリエンス Volvic-Volcanic Experience(フランス)、ゴールデンリング・ウルトラトレイル Golden Ring Ultra-Trail®︎(ロシア)の二つも新たにラインナップ。東アジアでは既存のHong Kong 100、UTMFとあわせて春から秋まで5大会に拡充されることになります。

各レースに付けられるレーベルは従来の「Serie Bonus」、「Serie」、「Pro」、「Challenger」が、年間ランキングの対象となる上位入賞者に与えられるポイント数を示す数字で表現されるようになりました。最上位のUTWT2000にはUTMB®︎ Mont-Blancのメインイベント・UTMB®︎が位置付けられます。続くUTWT1500には今年の「Serie Bonus」だったTransgrancanariaの他、今年の「Serie」だったHong Kong 100、MIUT、Lavaredo、Western Stats、CCC®︎。さらに今年の「Pro」のUltra-Trail®︎ Australiaが「昇格」しています。UTWT1000は今年の「Pro」からTarawera、Istria、Penyagolosa、UTMF、Eiger、TDS®︎®︎、Cappadocia、Cape Town。今年の「Challenger」だったmozart 100は「昇格」、加えて新メンバーのGaoligongという顔ぶれ。UTWT500は10レースで、今年の「Challenger」だったHarricana、Javelina、今年の「Pro」から「降格」のPatagonia Run。そしてGaoligongを除く新規加盟の7大会が続きます。

2020年のウルトラトレイル・ワールドツアー Ultra-Trail®︎ World Tourのスケジュール

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スポーツ中だけじゃなく僕の一日を静かに見守り、助けてくれる・Garmin fēnix 6 シリーズ・レビュー(後編)

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今年のUTMB開催中にシャモニーでお披露目されたGarminのfēnix 6シリーズ。当サイトも提供していただいたfēnix 6Xを実際に試して、レビュー記事の前編では新機能を中心に紹介しました。

何が変わった?アスリート注目の全部入りスポーツ・スマートウォッチ、Garmin fēnix 6 シリーズ・レビュー(前編)

2019.12.04

その後もこの最強のスポーツウォッチをランニングの間はもちろん、寝ている間も(睡眠の時間と質を記録できる)身につけ続けています。この間、腕から外すのは週1回くらいの充電とランニングの後のシャワーと一緒に洗う時だけ。

Garmin fēnix 6 シリーズのレビュー後編では、実際に当サイトの中の人がランニングや普段の生活の中で使って感じていることをご紹介していきます。

Garmin fēnix 6X Sapphire Black DLC

Garmin fēnix 6X Sapphire Black DLC

*レビュー前編でご紹介していたソーラー充電でバッテリー稼働時間がさらに伸びるfēnix6X Pro Dual Powerが12月19日に発売されることが発表されました。

トレイルランニング中は充実のナビゲーション機能が活躍

まずはアクティビティを選択、カスタマイズも可能

fēnix 6 シリーズを手にした人にとってまず気になるのはランニングウォッチ、とりわけトレイルランニングをする時のランニングウォッチとしての機能でしょう。

fēnix 6 シリーズの本体には最初からランニング、トレイルランニング、バイク(自転車)、トライアスロン、ハイキング、ウォーキング、プールスイム、カヤック、スキーなどなどたくさんの「アクティビティ」が登録されていて、それぞれのスポーツに適した運動中にディスプレイへ表示するデータや、GPSなどバッテリーに影響する項目などが予め設定されています。

右上のボタンを押すとアクティビティの選択画面に。「お気に入り」に設定したアクティビティが表示される。「Trail Run Ki」は筆者がカスタマイズして登録したもの。

右上のボタンを押すとアクティビティの選択画面に。「お気に入り」に設定したアクティビティが表示される。「Trail Run Ki」は筆者がカスタマイズして登録したもの。

DOWNボタンでスクロールしていくと、ウォッチに登録済みのアクティビティが現れる。

DOWNボタンでスクロールしていくと、ウォッチに登録済みのアクティビティが現れる。

さらにスクロールすると、「+」の表示が。このアクテビティ選択画面からウォッチで表示するアクティビティを追加できる。

さらにスクロールすると、「+」の表示が。このアクテビティ選択画面からウォッチで表示するアクティビティを追加できる。

スマートフォンアプリの「Garmin Connect」からアクティビティやアプリのウォッチの中での並び順を変えたり、削除したりといった操作ができる。

スマートフォンアプリの「Garmin Connect」からアクティビティやアプリのウォッチの中での並び順を変えたり、削除したりといった操作ができる。

内蔵されているアクティビティの一覧。様々なスポーツ、アウトドアアクティビティを選べる。

内蔵されているアクティビティの一覧。様々なスポーツ、アウトドアアクティビティを選べる。

僕の場合は最初から登録されているアクティビティ「トレイルランニング」を複製したアクティビティについてディスプレイに表示するデータを一部設定し直したオリジナルの「アクティビティ」を作って、普段のランニングやトレイルランニングで使っています。トレイルランニングを始めたばかりの頃に使っていた「Forerunner 310XT」の頃からの設定に慣れてしまっていて、その頃からの設定を引きずっています。ディスプレイの1枚目に時刻、高度、心拍数、距離を並べ、2枚目には総上昇量、総下降量。続いてラップについての情報のページが続き、気温とバッテリーレベル、日の出と日の入りの時刻をまとめたページ。最後に地図のページが来るようにしています。かつてはトレーニングで目標の心拍数を決めて走ったり、フルマラソンを走るときに1kmのラップ中のペースを見ながら走ったり、といったこともしていたんですね(今はあまりしていません)。

筆者のカスタマイズしたアクティビティのディスプレイ、1ページ目は現在時刻とスタートからの距離の間に高度と心拍数。

筆者のカスタマイズしたアクティビティのディスプレイ、1ページ目は現在時刻とスタートからの距離の間に高度と心拍数。

2ページ目にはトレイルランナーなら必ず知りたい、スタートからの総上昇量(累積獲得高度)と総下降量(累積喪失高度)。

2ページ目にはトレイルランナーなら必ず知りたい、スタートからの総上昇量(累積獲得高度)と総下降量(累積喪失高度)。

こちらは今走っている1kmのラップ(ラップの距離は設定で変更できます)について、0.49km地点で3分23秒経過、このままだとこのラップは6分52秒となることが一目瞭然。もっとスピードを上げましょう。

こちらは今走っている1kmのラップ(ラップの距離は設定で変更できます)について、0.49km地点で3分23秒経過、このままだとこのラップは6分52秒となることが一目瞭然。もっとスピードを上げましょう。

音楽のページを設定しておくと、音楽プレーヤーを操作することもできる。

音楽のページを設定しておくと、音楽プレーヤーを操作することもできる。

6Xではなんと1ページに8項目が表示可能になりました。一番上にバッテリー残量、一番下にはGPS信号の受信状態を表示。

6Xではなんと1ページに8項目が表示可能になりました。一番上にバッテリー残量、一番下にはGPS信号の受信状態を表示。

もちろんウォッチに内蔵の地図上で自分の現在地を表示可能。赤い線はナビゲーションするように設定しているコース。

もちろんウォッチに内蔵の地図上で自分の現在地を表示可能。赤い線はナビゲーションするように設定しているコース。

この他にも、スマートフォンアプリ「Connect IQ」からGarmin製またはサードパーティ製の様々なアプリをダウンロードして設定できるようになっています。

Connect IQのトップ画面。それぞれのアプリについて説明文を読むこともできますが、サードパーティ製アプリは英語のみということも。

Connect IQのトップ画面。それぞれのアプリについて説明文を読むこともできますが、サードパーティ製アプリは英語のみということも。

Garminの真骨頂、充実のナビゲーション機能

今回はPCブラウザ版のGarmin Connectを使ってあらかじめコースを作り、このコースをfēnix 6シリーズに読み込んでナビゲーションをしてもらいながら走ることにしました。

Garmin ConnectはPCブラウザ版、モバイル版ともにコース作成機能を備えていて、Googleマップをみながらスタート地点を選び、ポイントを順に指定していくと道なりにコースを作成してくれます。ユーザーが通ったことのあるコースのヒートマップを参照してくれるので、ロードだけでなくトレイルも大体人が通れるハイキングコースや登山道を選んでくれます(ただ、実際に安全に通れるか、通行不可とされていないか、は現地で確認する必要はあります)。そのほかにも例えばスタート地点と目的地を選んでその間のコースはおまかせでコースを設定するとか、「スタート地点から北に向かって帰ってくる10kmのループコース」と指定するとコースを設定できたり、とかなり細かいことができます。もちろん、自分が実際に走ったアクティビティを元にコースを設定したり、別途ダウンロードしたレースのコースのGPSログを読み込んでコースを設定することもできます。

スマートフォンのGarmin Connectアプリでコースを作成しているところ。スタート地点から順にポイントを指定して、その間は地図の情報やGarminが持つヒートマップを元に自動的につなぐ、というやり方。このほか、スタートとゴールだけ決めておまかせでコースを作ったり、指定の場所から「南に向かってループする5kmのコース」といった形でしていして自動的にコースを作ることもできる。

スマートフォンのGarmin Connectアプリでコースを作成しているところ。スタート地点から順にポイントを指定して、その間は地図の情報やGarminが持つヒートマップを元に自動的につなぐ、というやり方。このほか、スタートとゴールだけ決めておまかせでコースを作ったり、指定の場所から「南に向かってループする5kmのコース」といった形で指定して自動的にコースを作ることもできる。

こちらはPCを使ってウェブのGarmin Connectでコースを作成しているところ。公園や建物の中など、道をたどる設定では意図した通りにコースを作れない場合は、指定したポイントを直線でつなぐ「フリーハンド」に切り替える。

こちらはPCを使ってウェブのGarmin Connectでコースを作成しているところ。公園や建物の中など、道をたどる設定では意図した通りにコースを作れない場合は、指定したポイントを直線でつなぐ「フリーハンド」に切り替える(「フリーハンド」はPCでのみ使えるようだ)。

ウォッチから「アクティビティ」を選択するとディスプレイ上部に「▲オプション」の表示。ウォッチのUPボタンを押せばオプション設定画面に入ります。「コース」からはGarmin Connectに登録してあるコースを読み出してfēnixにナビゲーションしてもらって走ることができます。この他にもディスプレイに表示するデータの変更や差し替え、スクリーンに表示するデータの数を変更できたり、インターバルなどのトレーニングメニューを呼び出したりも可能。設定できる項目はたくさんありますが、直近に設定した三項目が最初に表示されてよく変更する項目には簡単にアクセスできる、といった工夫もしてあります。

アクティビティを選択した直後。UPボタンを押すとオプション設定画面へ。上端の赤いゲージはGPSの受信状況で完全に受信すると緑色に。正確にアクティビティのログを取るには緑色になってからスタートボタンを押すのが吉。

アクティビティを選択した直後。UPボタンを押すとオプション設定画面へ。上端の赤いゲージはGPSの受信状況で完全に受信すると緑色に。正確にアクティビティのログを取るには緑色になってからスタートボタンを押すのが吉。

オプション設定画面では最近設定した項目が最初に表示される。

オプション設定画面では最近設定した項目が最初に表示される。

最近使った三つの項目に続いてオプション設定のメニュー。

最近使った三つの項目に続いてオプション設定のメニュー。

オプション設定の「トレーニング」から「インターバル」を選んだところ。400mを5本。長さや本数は「編集」から変えられます。

オプション設定の「トレーニング」から「インターバル」を選んだところ。400mを5本。長さや本数は「編集」から変えられます。

「Connect IQ」からダウンロードできる「Strava Routes」というアプリはStravaの中に自分が登録しているコースをfēnixに読み込んでナビゲーションしてもらいながら走ることができるというもの。Garmin Connectに登録しているコースでなくてもfēnixに読み込めるというのが肝で、例えば他社製のウォッチで貯めてきた自分のログを活用できるわけです。

「Strava Routes」を起動。Stravaに登録しているルートが表示される。

「Strava Routes」を起動。Stravaに登録しているルートが表示される。

ルートを選び、「ルート航法」(Route Navigation)を選ぶと、アクティビティの選択画面になり、指定したアクティビティのコースとして読み込まれる。

ルートを選び、「ルート航法」(Route Navigation)を選ぶと、アクティビティの選択画面になり、指定したアクティビティのコースとして読み込まれる。

「プレビュー」を選ぶと、コースを地図上で確認できる。

「プレビュー」を選ぶと、コースを地図上で確認できる。

驚いたのは「ナビゲーション」のメニュー。これは目的地を設定するとfēnixに内蔵されている地図機能を使って現在地からのルートを割り出して、車のナビと同じように行動中に案内してくれるという機能。目的地については駅などの交通機関だけでなく各種のお店なども登録されていて、例えばGoogle Mapで表示されるような各種の施設(山や山小屋も含まれます)とほぼ同様のポイントが登録されています。ポイントを探すには現在地の「周辺」を選ぶと近くのポイントが表示される他、業態を選択してからポイントを選んだり、名前をタイプ(接続しているスマートフォンの「Garmin Connect」アプリからタイプできます)して検索することも可能。ただ、ウォッチでメニューを操作したり、選択肢を一覧するのはスマートフォンに比べるとやりづらいのは確か。とはいえ、例えば大雨などで天候が厳しかったり、バイクやスキーでいちいちスマートフォンを取り出せないといった場合には、ウォッチだけで場所を指定してナビゲーションできるのはありがたい機能のはず。目的地を予めウォッチで探しておいて「ポイント登録」しておくこともできるので、うまく活用すればfēnixだけでナビゲーションできる機能はかなり活用できそうです。

ナビゲーションの目的地設定は現在地周辺から候補を探すこともできるが、ここではPOI(Point of Interest)の中から検索してみた。都市名、フード・ドリンク、ショッピングなどのジャンルの中からジオポイントを選ぶ。名前検索を選んで目的地を入力。スマートフォンから入力すれば簡単。

ナビゲーションの目的地設定は現在地周辺から候補を探すこともできるが、ここではPOI(Point of Interest)の中から検索してみた。都市名、フード・ドリンク、ショッピングなどのジャンルの中からジオポイントを選ぶ。名前検索を選んで目的地を入力。スマートフォンから入力すれば簡単。

少し検索に時間がかかったが目的地の大楠山が候補に表示された。

少し検索に時間がかかったが目的地の大楠山が候補に表示された。

地図上で目的地の大楠山の場所を確認。

地図上で目的地の大楠山の場所を確認。

そのまま目的地の大楠山へナビゲーションを開始することができる(画像は筆者の自宅周辺のためモザイク加工をしています)。

そのまま目的地の大楠山へナビゲーションを開始することができる(画像は筆者の自宅周辺のためモザイク加工をしています)。

アクティビティ中はどのデータを表示していても、道を曲がるときには音と振動でアラートが出て、ディスプレイに何メートル先でどちらに曲がるかを表示。曲がるポイントにつくともう一度アラートとディスプレイ表示で知らせてくれます。ただ、街の中で細かく左右に角を曲がるようなところを走る場合には、ちょっとしたタイミングのズレで曲がる場所を通り過ぎてしまったりすることも。都心のようにビルでGPSの受信が遅れたりする場合もうまくいかないことがあるかもしれません。ただ、見晴らしのいい郊外や山であればバッチリ、ナビゲーションを活用できそうです。

ナビゲーション中は分岐が近づくと方向が表示される。これは45m先で左方向へ、という指示。

ナビゲーション中は分岐が近づくと方向が表示される。これは45m先で左方向へ、という指示。

分岐点に来るとその場でもう一度方向を指示される。

分岐点に来るとその場でもう一度方向を指示される。

設定しているコースから外れてしまった場合にはウォッチから音と振動で「オフコース」のアラートが出ます。この場合は進んできた道を戻ります。コース上まで戻ると「オンコース」と知らせてくれるので、そこから正しい方向に進みます。よく知っているコースで意図的に近道をした場合はコースに戻ったところで「オンコース」と知らせてきます。

ナビゲーション中にコースから外れるとアラート音とともに「オフコース」の表示。意図的にショートカットしているのでなければ、コースを引き返そう。

ナビゲーション中にコースから外れるとアラート音とともに「オフコース」の表示。意図的にショートカットしているのでなければ、コースを引き返そう。

コースに戻ると再びアラート音とともに「オンコース」と表示される。

コースに戻ると再びアラート音とともに「オンコース」と表示される。

山でも街でもレースでも。家族も安心の「LiveTrack」機能と万が一のための事故検出、援助要請機能

準備ができたらスタートボタンを押してランニングをスタート。するとスマートフォンから「LiveTrack in Progress」の表示が。この「LiveTrack」機能はスマートフォンを身につけて接続した状態のままfēnixでアクティビティをスタートすると、予め登録してある相手(例えば家族)に電子メールでアクティビティを開始したことを通知する機能。家族は電子メールの中にあるリンク先からリアルタイムに自分が地図上のどこを走っているか確認できます。例えば、トレイルランニングで山に行く場合でも携帯電話の電波が届くところなら、自分がどこにいるかを登録相手に伝えることができるわけです。自宅の近くでランニングをする場合にも、いつから走り始めたか、どこを走っているかを登録相手は確認できます。Stravaに連動させることもできるので、同様の機能でStravaのSummit会員が利用できる「Beacon」機能を通じて設定した相手先に所在を伝えることもできます。この「LiveTrack」機能、僕の家族には大変好評です(正直にいうと、僕としてはいつどこを走っているかあまり知られたくないこともあるんですが)。

Garmin ConnectのLiveTrack設定画面。ここではウォッチでのアクティビティの開始に合わせて自動でLiveTrackを開始するように設定しているが、必要な時だけ手動でLiveTrackを開始することもできる。アクティビティ中の所在を確認できるリンクを知らせるのは電子メールで最大50先まで指定可能。自分のTwitterでリンクをつぶやくこともできる。「Strava Beacon」をオンにするとStravaのビーコン機能と連動する。

Garmin ConnectのLiveTrack設定画面。ここではウォッチでのアクティビティの開始に合わせて自動でLiveTrackを開始するように設定しているが、必要な時だけ手動でLiveTrackを開始することもできる。アクティビティ中の所在を確認できるリンクを知らせるのは電子メールで最大50先まで指定可能。自分のTwitterでリンクを自動的につぶやくこともできる。「Strava Beacon」をオンにするとStravaのビーコン機能と連動する。

LiveTrackが起動すると登録した相手が受け取るメール。

LiveTrackが起動すると登録した相手が受け取るメール。

メールの中のリンクをクリックするとブラウザ上で現在地とたどっているコースを地図上で確認できる。アクティビティが終わればリンクは無効になるが、設定によりアクテビティ終了後24時間以内は表示可能とできる。

メールの中のリンクをクリックするとブラウザ上で現在地とたどっているコースを地図上で確認できる。アクティビティが終わればリンクは無効になるが、設定によりアクテビティ終了後24時間以内は表示可能とできる。

この他fēnix 6シリーズではウォッチを装着中に転倒や衝突といった事故に遭った場合を自動的に検出して予め登録した緊急連絡先にメールで自動的に連絡する「事故検出」機能、急に体調を崩すなどして電話連絡もできない緊急事態にウォッチのボタンを押せば緊急連絡先にメールで連絡できる「援助要請」機能も設けられています。これはfēnix 5シリーズにはなかった新機能となります。この機能も一度試して見ましたが、援助要請のメッセージを受け取った家族は「一目で何か大変なことだと分かったからドキッとした」とのことでした。万が一の場合にもうっかりスルーされずにすみそうです。ただし、いざという時にこの機能が起動するには、ウォッチだけでなくスマートフォンも携帯している(ウォッチがスマートフォンにBluetooth接続された状態を維持している)必要があります。

事故検出と援助要請の設定画面。緊急連絡先は電子メールで3つの先まで設定できる。

事故検出と援助要請の設定画面。緊急連絡先は電子メールで3つの先まで設定できる。

「コントロール」に援助要請を登録しておけば、万が一の場合にも直ぐに緊急連絡先に伝えることができる。

「コントロール」に援助要請を登録しておけば、万が一の場合にも直ぐに緊急連絡先に伝えることができる。

登りセクションであとどれくらい頑張ればいいか教えてくれるClimbPro機能

ランニング中はあらかじめ設定したディスプレイで距離や標高、心拍数を確認しながら走ります。コースのナビゲーション中は通常に加えて、地図やClimbPro、コース高低図の中で自分がどこにいるか、といったデータを表示するページが追加され、手元で見ることができます。ClimbProはコース上の登りセクションを検知して、そのセクションの距離と獲得高度をディスプレイ上に表示。さらにそのセクションのどこまで自分が進んでいるかと登りの速度を表示してくれます。これはトレイルランニング中だけでなく登山中のモチベーションを保つのにも役立ちますね。

コースに沿ってアクティビティを始めると、ディスプレイにClimbProのページを表示できる。この画面ではスタートから26分52秒後、コース上の11箇所の登りセクションの1箇所目にいる。このセクションは距離0.50kmで標高差33mの登りで平均斜度は3%。現在の昇降速度は毎時+700m。中ほどのグラフの緑色の小さい丸のあたりにいて、残りは青色で表示されている。

コースに沿ってアクティビティを始めると、ディスプレイにClimbProのページを表示できる。この画面ではスタートから26分52秒後、コース上の11箇所の登りセクションの1箇所目にいる。このセクションは距離0.50kmで標高差33mの登りで平均斜度は3%。現在の昇降速度は毎時+700m。中ほどのグラフの緑色の小さい丸のあたりにいて、残りは青色で表示されている。

音楽機能はSpotify、Amazon、LINE、AWAなどに対応

最近のGarminのウォッチの機能の目玉の一つが音楽が聴ける機能。fēnix 6シリーズは32MBのメモリーを内蔵していて、ウォッチに曲を保存してBluetooth接続のワイヤレスイヤホンで聴くことができます。曲の保存のやり方としては、PCアプリのGarmin Expressを経由して音楽のファイルをウォッチに転送するということもできますが、スムーズなのはサブスクリプション型の音楽サービスとの連携機能を使うことでしょう。Connect IQから対応する音楽アプリをウォッチにインストールします。アカウントを持っているSpotifyを試しましたが、メニューからスマートフォンアプリと同様におすすめのアルバムやプレイリスト、自分で作ったプレイリストを選ぶことができ、WIFIに繋がっている状態で曲のデータをダウンロードします。あとはアクテビティのディスプレイに「音楽」を加えておけば、ランニング中にプレーヤーを操作して音楽を聞いたり曲を選んだりすることができました。音楽サービスとしてはSpotifyの他にLINE Music、AWA Musicなども。最近Amazon Musicもアプリが公開されたので試しましたが、僕のPrime Musicのアカウントではプレイリストは表示されず。Unlimitedのアカウントであれば使えるでしょう。

現在、Connect IQアプリからウォッチにダウンロード可能な音楽アプリ。

現在、Connect IQアプリからウォッチにダウンロード可能な音楽アプリ。

Spotifyのアプリを起動。すでにダウンロード済みのプレイリストがウォッチのライブラリに入っている。

Spotifyのアプリを起動。すでにダウンロード済みのプレイリストがウォッチのライブラリに入っている。

ライブラリを選択すると、Bluetooth接続のイヤホンと接続する。ここから新しくイヤホンを登録することもできる。

ライブラリを選択すると、Bluetooth接続のイヤホンと接続する。ここから新しくイヤホンを登録することもできる。

イヤホンを接続すると曲の再生が始まる。再生/停止、曲送りのほか、UPボタンを押すと追加のプレイヤー操作メニューへ。

イヤホンを接続すると曲の再生が始まる。再生/停止、曲送りのほか、UPボタンを押すと追加のプレイヤー操作メニューへ。

追加のプレイヤー操作メニュー。ライブラリに戻ってプレイリストを選び直すこともできる。

追加のプレイヤー操作メニュー。ライブラリに戻ってプレイリストを選び直すこともできる。

メニューから「音楽とポッドキャストの追加」を選ぶと、自分のSpotifyアカウントと連動してプレイリストを選択できる。

メニューから「音楽とポッドキャストの追加」を選ぶと、自分のSpotifyアカウントと連動してプレイリストを選択できる。

おすすめのなかから「Discovery Weekly」を選んでみる。

おすすめのなかから「Discovery Weekly」を選んでみる。

Spofityからウォッチにプレイリスト「Discover Weekly」の30局のダウンロードが始まる。ダウンロードはスマートフォンとのBluetooth接続ではなくWIFI接続で行われるので、ウォッチをWIFIに接続する設定をしておく必要がある。最初にSpotifyとの接続を待った後、ダウンロードが始まる。

Spofityからウォッチにプレイリスト「Discover Weekly」の30曲のダウンロードが始まる。ダウンロードはスマートフォンとのBluetooth接続ではなくWIFI接続で行われるので、ウォッチをWIFIに接続する設定をしておく必要がある。最初にSpotifyとの接続を待った後、ダウンロードが始まる。

僕の場合はランニング中であってもスマートフォンを身につけていることが多いです。音楽を聴くならスマートフォンのアプリで曲やプレイリストを探してワイヤレスイヤホンで聴くのが、正直なところ自然ではあります。ただ、雨が降っているとかバイクやスキーでスマートフォンはしっかりしまっておきたい時には、ウォッチから音楽を聴ける機能は光ります。音楽機能はアクテビティ中以外でもウィジェットやコントロールから呼び出して使えます。

なお、アクテビティ中に音楽を聴くのは周囲の音が聴こえなくなって危険という場面もあります。それでも完全ワイヤレスイヤホンなら片耳だけイヤホンをつけることができるし、例えばAirPods Proならノイズキャンセルのイヤホンの外音取込みモードを使うと周囲の音も自然に聞こえます。

走り終えたらデータをじっくり確認

無事に走り終えてストップボタンを押すとアクティビティは一時停止に。そのまま「保存」を選ぶとアクティビティは終了。「再開」を選べばアクティビティは再開。「あとで再開」というメニューもあり、いったん通常のウォッチ画面に戻ってゆっくり食事や休憩をしてからアクティビティを再開することもできます。

アクティビティを終了すると、そのデータをfēnixからGarmin Connectのクラウドにアップロードします。これはBluetoothでスマートフォンと接続することでアップロードするのですが、あらかじめfēnixにWIFIのアクセスポイントを設定しておけば自動的にWIFI経由でアップロードも可能。自宅のWIFIを設定しておけば、帰宅してシャワーを浴びている間に(実際は浴びる前に)アップロードは完了しています。

あとはスマートフォンのGarmin Connectアプリでも、PCのウェブ版Garmin Connectでも自由にアクティビティのコースや、ラップ、心拍数などなど詳細なデータを確認することができます。

ランニングを終えた後、スマートフォンのGarmin Connectアプリで距離や平均ペース、高度上昇(累積獲得高度)を確認。

ランニングを終えた後、スマートフォンのGarmin Connectアプリで距離や平均ペース、高度上昇(累積獲得高度)を確認。

アクティビティに関するデータを一覧。データはウォッチ上でも確認できる。

アクティビティに関するデータを一覧。データはウォッチ上でも確認できる。

もちろんグラフでビジュアルに確認することも可能。

もちろんグラフでビジュアルに確認することも可能。

スマートフォンを横向きにすると心拍数と高度を重ねて表示することも可能。

スマートフォンを横向きにすると心拍数と高度を重ねて表示することも可能。

fēnix 6Xを使うようになってからは充電の頻度が以前よりグッと減りました。旅先で走るとしても二、三泊程度であれば旅行中に充電する必要は感じないでしょう。ビジネス中心の出張旅行でタイミングをみて走る程度であれば1週間でも大丈夫なはず。いざというときにバッテリーが空っぽということにならないよう、残量を通常のウォッチ表示で意識するようにしています。

ここでfēnix 6シリーズにちょっと便利なアクセサリーのご紹介。本体に付属の充電・PC接続ケーブルはコンパクトでかさばらなくていいのですが、充電する時には写真のようにウオッチの裏に突き刺します。これだとちょっと充電中に落ち着かない気がするのは僕だけでしょうか。

ここでfēnix 6シリーズにちょっと便利なアクセサリーのご紹介。本体に付属の充電・PC接続ケーブルはコンパクトでかさばらなくていいのですが、充電する時には写真のようにウオッチの裏に突き刺します。これだとちょっと充電中に落ち着かない気がするのは僕だけでしょうか。

そんな時、Amazonで左のような円形の台がついた接続ケーブルを見つけました。Garmin純正ではなく、いくつか同じような製品が売られていましたが、だいたい1000円前後でした。

そんな時、Amazonで左のような円形の台座がついた接続ケーブルを見つけました。Garmin純正ではなく、いくつか同じような製品が売られていましたが、だいたい1000円前後でした。

この台付き接続ケーブルなら充電中も落ち着きがよくなりました。PCにつないで同期・充電することも、モバイルバッテリーにつないで充電しながら操作することもできました(ただし純正品ではないので、ご覧の皆さまが試される際にはご自身の責任でお願いします)。

この台座付き接続ケーブルなら充電中も落ち着きがよくなりました。PCにつないで同期・充電することも、モバイルバッテリーにつないで充電しながら操作することもできました(ただし純正品ではないので、ご覧の皆さまが試される際にはご自身の責任でお願いします)。

モバイルバッテリーにつないで腕に装着することも一応できました(もちろん光学心拍計は使えません)。こんなことをしなくてもバッテリー稼働時間で困ることはあまりないと思いますが、役に立つこともあるかもしれませんね(純正品ではないので、ご覧の皆さまが試される際にはご自身の責任でお願いします)。

モバイルバッテリーにつないで腕に装着することも一応できました(もちろん光学心拍計は使えません)。こんなことをしなくてもバッテリー稼働時間で困ることはあまりないと思いますが、役に立つこともあるかもしれませんね(純正品ではないので、ご覧の皆さまが試される際にはご自身の責任でお願いします)。

秒を常時表示可能、ウィジェットも見やすく

Garminのウォッチだったらランニングやハイキングの機能が充実しているのはわかっているけれど、それ以外の機能はどうなの?という方は多いでしょう。スマートウォッチとしての機能もfēnix 6になってさらに充実してきました。

カスタマイズ性が高いウォッチフェイス、常に秒が表示されて普通の腕時計のように

アクティビティをしていない時に表示されているのがウォッチフェイス。表示するディスプレイは半透過メモリインピクセル(MIP)で、バックライトを点灯しない限り光を発しないので、バッテリー消費が抑えられて太陽光の下でも見やすくなっています。レビュー前編でも紹介したようにfēnix 6Xでは直径35.56 mm(280×280ピクセル)とfēnix 5Xの直径30.5mm(240×240ピクセル)からはグッと大きく、解像度も高くなりました。

6X(左)と5(右)で一見ディスプレイの大きさはあまり違いがないようにみえます。しかし、外側の金属のメタルの内側にある黒字に目盛りがプリントされている部分は6Xの方がずっと薄く、ディスプレイの大きさには実は大きな差があります。

6X(左)と5(右)で一見ディスプレイの大きさはあまり違いがないようにみえます。しかし、外側の金属のメタルの内側にある黒地に目盛りがプリントされている部分は6Xの方がずっと薄く、ディスプレイの大きさには実は大きな差があります。

ウォッチの本体にもアナログ文字盤風、ゴツいクロノグラフ風、シンプルなデジタル表示などのウォッチフェイスが入っているのですが、最近僕が気に入っているのはサードパーティ製でスマートフォンアプリ「Connect IQ」からダウンロードできるウオッチフェイス。例えば「Data Lover」というウォッチフェイスは数字で時刻、日付をデジタル表示する他に天候や心拍数やその日の歩数などをいろいろカスタマイズして表示。こうしたサードパーティ製ウォッチフェイスのダウンロードは無料ですが、機能の限定や「trial」の表示を外すには作者に「寄付」をすると送られてくるコードをGarmin Connectのウォッチフェイス設定画面で入力する必要があります。「Data Lover」は3ユーロをPayPalで送金するとアプリの作者からコードが送られてきました。このあたりの課金の仕組みがまだこなれていないのと、ウォッチフェイスの設定や機能の説明は英語のみという場合が少なくないあたりが少々ハードルが高いかもしれません。

最近気に入っているサードパーティー製ウォッチフェイス、「Data Lover」。時刻や日付のほかに気温や一日の歩行距離、標高、ステップ数、心拍数のグラフ表示など、多様なデータを一覧できる。

最近気に入っているサードパーティー製ウォッチフェイス、「Data Lover」。時刻や日付のほかに気温や一日の歩行距離、標高、ステップ数、心拍数のグラフ表示など、多様なデータを一覧できる。

「Data Lover」に設定可能な項目。

「Data Lover」に設定可能な項目(作者のウェブサイトより)。

さらにウォッチフェイスの設定次第では日時の表示に秒を加えて、1秒毎に時間が過ぎゆくのを確認できます(ただし、バッテリー稼働時間がやや短くなります)。これは些細なことのようですが、常時表示ができるようになったApple Watch Series 5でも、常時表示状態では秒針は動きません。バッテリーの制約が大きいはずのスマートウォッチでありながら普通の腕時計に近い形で違和感なく使えるのは僕にとっては大きなメリットです。

三分割で見やすくなったウィジェット選択画面、Body Battery機能が面白い

ウォッチフェイスからスマートウォッチとしての各種の機能を呼び出す方法はウィジェットとコントロールの二つ。ウィジェットは天気、日の出・日の入り、コンパス・高度・気圧、VO2Max、前回アクティビティ、ステップ数などなどのデータを表示できる機能です。ウォッチのUPボタン、DOWNボタンを押すとウィジェットの選択画面に切り替わりますが、fēnix 6シリーズではディスプレイを上下に3分割してそれぞれの各ウィジェットのエッセンスとなるデータを表示。ボタンでスクロールして選択すると、そのウィジェットが立ち上がってさらに詳細なデータが確認可能になりました。fēnix 5ではこのディスプレイの3分割がなかったので、何のウィジェットを入れていたかが分からなくなりがちでした。ウィジェットの追加や削除、並べ替えといった編集操作もウィジェットの選択画面からすぐにできるようになりました。もちろん、スマートフォンのGarmin Connectアプリからもこうした操作はできるのですが、ちょっとした変更を手元ですぐにできるのはやはり便利です。

上、中、下に3分割されてウィジェットの一覧性が高くなった。

上、中、下に3分割されてウィジェットの一覧性が高くなった。

ウィジェット選択画面からウィジェットの並び順変更や削除の編集画面に入りやすくなった。

ウィジェット選択画面からウィジェットの並び順変更や削除の編集画面に入りやすくなった。

ウィジェットの追加も可能。

ウィジェットの追加も可能。

もちろん、ウィジェット選択画面からそれぞれのウィジェットの情報を詳細にみることができる。こちらは「天気」のウィジェット。一日の天気、気温、このあとの気温や降水確率の推移がみられる。

もちろん、ウィジェット選択画面からそれぞれのウィジェットの情報を詳細にみることができる。こちらは「天気」のウィジェット。一日の天気、気温、このあとの気温や降水確率の推移がみられる。

さらにページを進めると1時間ごとの天気予報。

さらにページを進めると1時間ごとの天気予報。

もう一枚進めると明々後日までの天気予報。

もう一枚進めると明々後日までの天気予報。

とはいうもののライフトラッキング関係のデータはその日だけでなく、過去からの推移を見たいので、スマートフォンかPCでGarmin Connectをよく開いて見返しています。心拍数、ステップ数などなどのデータが取れるのですが、僕はGarminの体重計、「Index Smart Scale」(日本では発売されておらず海外の通販サイトで個人輸入しました)も使っていて、体重を測るたびに自動的にWIFI経由で体重関係のデータがGarmin Connectにアップロードされています。睡眠のトラッキングももちろんやっていて、就寝時間と起床時間を見返す他、三段階で示される睡眠の深さ(「深い」、「浅い」、「レム」)をみて、眠りが浅い時や睡眠時間が短い時はもう少し生活リズムを整えよう、と考えたりしています。

Garminの体重計、「Index Smart Scale」で測ったデータもGarmin Connectでみることができる。

Garminの体重計、「Index Smart Scale」で測ったデータもGarmin Connectでみることができる。

睡眠時間のトラッキングができるのはバッテリー稼働時間の長いスマートウォッチである必要がある。

睡眠時間のトラッキングにはfenixのようにバッテリー稼働時間の長いスマートウォッチが適している。

ウォッチのセンサーが自動で入眠と起床をトラックしてくれる。睡眠の深さの推移を確認できる。

ウォッチのセンサーが自動で入眠と起床をトラックしてくれる。睡眠の深さの推移を確認できる。

最近加わった機能でユニークなのが「Body Battery」という指標。これは心拍数の変動やストレスの度合い、睡眠の質、アクティビティの程度を総合的に考慮して計算される「体に蓄えられたエネルギー」を0から100で表したもの。朝起きて、通勤や仕事などでストレスを感じたり、長時間のランニングをするとBody Batteryの量が下がっていきますが、リラックスして自由に過ごしたり、昼寝をしたり、そして一晩寝たりするとBody Batteryが回復します。体感的にも疲れているなと感じるときはバッテリーの値が低くなっています。これも後から見返してみるとどんな時にバッテリーが落ちているか分かるので、自分の体調をタイミングよく整えよう、と考えるようになりました。

ある日のBody Batteryの推移。睡眠によって回復し、日中の各種のストレスやランニングなどのアクティビティで減少する、というイメージ。

ある日のBody Batteryの推移。睡眠によって回復し、日中の各種のストレスやランニングなどのアクティビティで減少する、というイメージ。

日々、バッテリーのチャージと消費を繰り返すのが健康な生活ということになるが、睡眠不足や疲労でバランスが崩れることがある。そんな時に睡眠時間を増やしたり、ストレスを避けるようにしよう、と考えるきっかけになりそう。

日々、バッテリーのチャージと消費を繰り返すのが健康な生活ということになるが、睡眠不足や疲労でバランスが崩れることがある。そんな時に睡眠時間を増やしたり、ストレスを避けるようにしよう、と考えるきっかけになりそう。

注目のGarmin Payは対応する銀行、カード会社、使えるお店の拡大に期待

ウォッチフェイスから各種の機能を呼び出すもう一つの方法がコントロール。ウォッチ左上のLightボタンを長押しするとディスプレイの円周に沿って機能が並ぶコントロールの表示を呼び出せます。ウォッチの電源オンオフ、バッテリー節約モードのオンオフ、タイマー、スマートフォンの呼び出し(部屋の中でスマートフォンを見失ったとき便利)、フラッシュライト(ディスプレイ全体を白く光らせる)などなどの機能をサッと呼び出せます。なお、このコントロールの画面はアクティビティ中でも呼び出すことができます。

コントロールから呼び出せる注目の機能はGarmin Payです。内蔵のチップによりウォッチをお店の端末にかざすだけで非接触のキャッシュレスで支払いができます。Garmin Payは以前から日本でも使えるようになっているのですが、対応するクレジットカード・デビットカードは三菱UFJ-VISAデビットだけでした。しかし、今年11月にジャパンネット銀行のVISAデビットカードもGarmin Payに登録できるようになりました。

左上ボタン長押しで「コントロール」を起動。「ウォレット」からGarmin Payを起動する。

左上ボタン長押しで「コントロール」を起動。「ウォレット」からGarmin Payを起動する。

現在日本でGarmin Payに対応しているのは三菱UFJ銀行(三菱UFJ-VISAデビット)とジャパンネット銀行のみ(本稿公開時点)。

現在日本でGarmin Payに対応しているのは三菱UFJ銀行(三菱UFJ-VISAデビット)とジャパンネット銀行(VISAデビットカード)のみ(本稿公開時点)。

僕もジャパンネット銀行の口座を持っていてキャッシュカードと一つになったVISAデビットカードが手元にあるので早速、Garmin Payを使ってみました。近くのローソンに立ち寄り、登録を済ませたウォッチのコントロールからウォレットを起動(コントロールはアクティビティ中でも呼び出せるのでランニング中でも買い物ができます)。ローソンでお店の人には「VISAのタッチ決済で」と伝えて端末にウォッチをかざして、無事にドリンクを買えました。支払い額がジャパンネット銀行の口座から即時引き落とされたことを知らせるメールがすぐに届きました。

Garmin Payで買い物をしたレシート。

Garmin Payで買い物をしたレシート。

ウォッチのコントロールからウォレットを呼び出す時、数字4桁のパスコードを入力するのですが、数字の選択はタッチスクリーンではなく、UP・DOWNボタンを操作するのが少々煩わしいところ。ただ一度パスコードを入力してロックを外すと、しばらくの間はウォッチフェイス表示に戻ってまたウォレットを呼び出してもロックが解除された状態が保たれるようです。ということはお店に入る前に解除してすぐ買い物を済ませれば、もたつかずに済むということになりそう。

Garmin Payを起動するには四桁のパスコードを入力するのだが、このようにUP・DOWNボタンで数字を選ぶ形式。タッチスクリーンではないのでやむを得ないが、工夫を期待したいところ。

Garmin Payを起動するには四桁のパスコードを入力するのだが、このようにUP・DOWNボタンで数字を選ぶ形式。タッチスクリーンではないのでやむを得ないが、工夫を期待したいところ。

今のところ三菱UFJ、ジャパンネット銀行ともにVISAデビットによる決済なので使えるお店はどちらも同じ。現在、様々なキャッシュレス決済サービスが登場して使える場面を競うように広げていますが、国内でVISAデビットが使えるお店は競合相手に比べるとやや限られます。僕の日常的な行動範囲では今のところはローソンとマクドナルドの各店で使うことになりそうです(ただ海外ではVISAのタッチ決済が用いる規格が主流で、世界中で広く使えるそうです)。このためかローソンでも「Garmin Payで」では通じず、「VISAのタッチ決済で」と言ったら一度聞き返されながらも通じました。

おそらくfēnix 6シリーズが搭載している非接触型決済用のチップは国際規格のType A/Bで、日本で有力なFeliCa規格は利用できなさそう。この辺りが日本で利用できるシーンが絞られる理由なのでしょう。しかし東京オリンピックに向けてVISAは日本でのビジネスに力を入れるでしょうし、今後日本でGarmin Payが使える場面が増えることに期待したいと思います。

トレイルランナー必携のfēnix 6シリーズ、大きすぎるようなら6Sはいかが?

以上、レビュー後編ではGarmin fēnix 6Xを使っている僕が個人的にご紹介したいことをいくつか取り上げました。正直、まだまだ注目の機能があってキリがありません。トレイルランニングをはじめ、スポーツやアウトドアアクテビティに積極的に取り組んでいる人にとって、fēnix 6シリーズは全部入りスマートウォッチの決定版といえる存在です。

とはいえ、現在様々なメーカーから次々と発売されるスマートウォッチのなかでは少々大振りなのは確かです。そう感じる場合は、シリーズの中では小ぶりなfēnix 6Sという選択があります。レビュー前編でご紹介した通り、fēnix 5Sよりもコンパクトでケースは薄くなりました。バッテリー稼働時間もほとんどの場合で十分と感じるはず。

僕の場合はiPhone、iPad、MacBookとApple製品に囲まれていて、Apple Watchとの両刀遣いを続けることになりそう。これからもGarminが開発する今後の新モデルに期待しながら、右腕と左腕に何をつければ最も便利で愉快な毎日を過ごせるか考え続けたいと思います。

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投稿 スポーツ中だけじゃなく僕の一日を静かに見守り、助けてくれる・Garmin fēnix 6 シリーズ・レビュー(後編)DogsorCaravan トレイルランニング・スカイランニングのオンラインメディア に最初に表示されました。

2020年のUTMB® Mont-Blanc 概要まとめ・プレエントリー受付中、必要なポイント数は引き下げられています。

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今年も12月17日(日本時間午後6時)に2020年のUTMB®︎ Mont-Blancのプレエントリーがスタートしました。少しずつですが毎年変わっているUTMB®の各イベントとそのエントリーについてまとめる当サイト恒例の記事です。

来年のUTMB® Mont-Blancは2020年8月24日(月)から8月30日(日)に開催。プレエントリーは2020年1月2日(木)まで大会ウェブサイトで受付が行われ、抽選結果は1月9日(木)午前10時(日本時間同日午後6時)に発表されます。

今年4月、UTMB®︎ Mont-Blancは出場希望者が増え続けていることと希望者の負荷が高まり続けていることを受けて、(現在受付中の2020年大会ではなく)2021年大会へのエントリーからエントリー制度を改革することを発表しました。必要なポイント数を引き下げ、新たに「by UTMB®︎」やUTWTのレースを完走することで得られる「ランニングストーン」を導入。ランニングストーンを得ることで抽選免除や抽選チケット追加のメリットが得られる一方、二回抽選外れの優先エントリーの仕組みは廃止に。現在受付中の2020年大会へのエントリーは新制度への移行のため、必要なポイント数の引き下げが先行して導入されています。

UTMB®︎ Mont-Blancの新エントリー制度については次の記事で詳しくご覧いただけます。

UTMB®︎が大会エントリーの改革を発表、抽選倍率の高騰と応募者への負担の高まりを受けてBy UTMB®︎、UTWTのレース完走者を優遇する仕組みへ2021年から移行。

2019.04.18

解説・UTMB®︎が2021年から導入する新エントリー制度は、ランナーのニーズにあわせてUTMB®︎への道を選べる柔軟性が特徴

2019.04.18

(写真・2019年のMCCのスタート。Photo: UTMB®︎ Mont-Blanc)

UTMB® Mont-Blancの7つのレース

UTMB-2016-logo-Columbiaその大会名となっているモンブラン山麓をシャモニーから一周するUTMB®のほか、約300kmの縦走イベントであるPTL®など7つのレースが行われます。

  • UTMB® :171km / 10,300mD+、制限時間46時間30分、定員2,300人
  • CCC® :101km / 6,100mD+、制限時間26時間30分、定員1,900人
  • TDS® :145km / 9,100mD+、制限時間42時間、定員1,600人(2019年大会よりそれまでの121km / 7,300mD+、制限時間33時間のコースに山岳パートを増やす形でコースを変更)
  • OCC :56km / 3,500mD+、制限時間14時間、定員1,200人
  • PTL® :1ステージでコースマークなどがなく順位の付かない縦走イベント。3人のグループで参加(2020年大会からそれまで2人または3人1組とされていたのが3人1組のみに)。約300km / 25,000mD+、制限時間151時間30分、定員100チーム(300人) 。
  • MCC :40km / 2,300mD+、制限時間10時間、定員1,000人
  • YCC:2015年から始まった14〜22歳の中高校生・大学生の世代を対象としたユースイベント。シャモニー中心部を走るプロローグに続き、翌日水曜日にクールマイユールをスタート・フィニッシュする15km 1,000mD+のレース(定員300人、制限時間4時間)などを開催。フランス国内の近隣のトレイルランニング大会に設けられる4つのユースイベントでシリーズ戦、The Young Trail Challengeが開催されます。

プレエントリーの日程

  • プレエントリーの対象となるイベント:UTMB®、CCC®、TDS®、OCCについて定員を超えるプレエントリーがあった場合に抽選が行われます。PTL®はプレエントリーをもとに大会側で参加を認めるか審査し、審査通過が定員を超えると抽選が行われる仕組みとなっています。なお、2018年と2019年に連続して同じレースにプレエントリーして落選している場合は抽選なしの優先エントリーが可能、2019年に落選している場合は被抽選権が2倍になります(いずれもPTL®︎を除く)。このほか、2019年に行われたUshuaia by UTMB®︎(FMU)、Oman by UTMB®︎(137km、170km)を完走し、各レースに必要なポイントで資格を満たしている場合も抽選を経ずに優先エントリーが可能です。
  • YCCとMCC:YCCは12月17日からエントリーが始まり、先着順で満員となるまで受付が行われます。MCCについては原則として大会ボランティア、地元自治体在住者のほか、大会スポンサー関係者などのみにエントリーが認められます。日本からは大会と提携している旅行会社のツアーを通じて参加することが可能な模様です。
  • プレエントリー期間:2019年12月17日(火)10:00 CET(日本時間同日18:00)〜2020年1月2日(木)
  • エントリー料:デポジットとして50ユーロをクレジットカードとして支払う(当選した場合はエントリー手続き時にエントリー料に充当、当選しなかった場合は払い戻し)。
  • 抽選:プレエントリーが定員を超えたレースについては抽選が行われ、1月9日(木)10:00 CET(日本時間同日18:00)に抽選結果が発表されます。いずれのレースにもウェイティング・リストは設けられません。
  • 抽選に外れた場合:次回2021年の大会にエントリーする際に次のような抽選での優遇があります(2017年大会からは抽選に外れた場合に満員となっていない他のレースに振り替える仕組みは設けられていません)。
    • 今回初めて抽選に外れた場合:2021年大会での抽選で、抽選チケットが一枚追加されます。ランニングストーンが導入されるなど、2021年大会の抽選からは大幅にエントリーの仕組みが変更される結果、2021年大会では2020年大会で外れたレースにプレエントリーしても抽選チケットは有効です(例えばCCC®︎で外れた結果得た追加の抽選チケットを翌年のUTMB®︎の抽選で使える)。さらに、「By UTMB®︎」やUTWTのレース完走で得られるランニングストーン一個を抽選チケット一枚に引き換えて、抽選チケットの数を増やすこともできます。しかし、2021年大会の抽選で再び外れても、2022年大会での追加チケット1枚が得られるだけでこれまでのように「二回抽選外れの優先エントリー」の特典は得られません。
    • 2019年大会に続いて2回目の抽選外れの場合:2021年大会では抽選なしで優先エントリーが可能に。ただし、2019年大会、2020年大会にエントリーしたのと同じレースにエントリーし、2021年大会のエントリー資格を満たすことが条件です。上記のように、この「二回抽選外れの優先エントリー」は2021年大会が最後となります。

プレエントリーに必要なポイント数

各レースのエントリーにはUTMB Mont-Blancの大会サイトにあるリストに掲載されたポイントが認められるレースを完走していて、合計のポイントがそれぞれ以下の基準を満たしている必要があります。必要なポイント数は今年4月に発表されたランニングストーン導入などのエントリー制度改革により、大幅に引き下げられます。

  • UTMB®:2018年1月1日〜2019年12月31日*に2つ以内のレースで10ポイント(3つ以内のレースで15ポイントから変更)。
  • CCC®:2018年1月1日〜2019年12月31日*に2つ以内のレースで6ポイント(2つ以内のレースで8ポイントから変更)。
  • TDS®:2018年1月1日〜2019年12月31日*に2つ以内のレースで8ポイント(変更なし)。
  • OCC:2018年1月1日〜2019年12月31日*に2つ以内のレースで4ポイント(2つ以内のレースで6ポイントから変更)。
  • PTL®:参加希望者は他のレースと同様に大会ウェブサイトからプレエントリーを行ったのち、所定のフォームに参加希望のチームメンバーの氏名や山岳経験を記入して1月2日のプレエントリー締め切りまでに電子メールで送付。記入事項に基づいて大会の審査委員会がエントリー資格を満たしているか判定。資格を満たしたチームが定員を超えた場合にはその後抽選となります。なお、今回からチームの最低一人は英語、フランス語、イタリア語のいずれかに堪能であることが求められます。
  • MCC:必要なポイント数は設けられません。

*2017年に開催されたUTMB®、CCC®、TDS®、OCC、PTL®︎は資格レースとしてポイントの対象となります。

エリート・アスリートとチャリティの特別エントリー

  • エリート・エントリーITRAが公開している成績指数(Performance Index)で基準をクリアしている有力選手については、各レースのエントリー資格を満たしていれば抽選なしでエントリーが可能。男女別、CCC®︎、TDS®︎、OCCに共通の基準とUTMB®︎の基準、さらにエントリー料免除の有無でそれぞれに基準が設けられています。UTMB®︎への抽選およびエントリー料免除が男子で880点(昨年は870点)、女子760点(昨年は770点)、抽選のみ免除が男子790点(昨年は770点)、女子670点。CCC®︎、TDS®︎、OCCでは抽選およびエントリー料免除が男子で850点(昨年は830点)、女子730点、抽選のみ免除が男子750点(昨年は730点)、女子630点。基準となる成績指数については男子でいずれも引き上げられ、女子はUTMB®︎エントリー料免除が引き下げられたほかは据え置きです。申し込みは1月2日まで。
  • チャリティ・エントリー:大会側が指定する団体に2000ユーロ以上を個人で募金、または支援元の企業などから集めた場合には、エントリー資格を満たしていることを条件に抽選なしてエントリーが可能。すでに12月3日から16日の第一期募集が締め切られています。

ポイントが認められている日本の大会

2015年大会からUTMB Mont-Blancのエントリー資格が認められるレースは、それまでのUTMB大会事務局による勝手認定から、レースがITRAに申請して審査を受け、その結果に基づいてUTMBが資格レースとして認定するという仕組みになりました。日本のレースでは2018年開催分でみると国内で63の大会についてすでにポイントが認められています(同じタイミングで昨年は2018年開催分で54、一昨年は2017年開催分では35、その前年は2016年開催分で27の大会にポイントが認められていました)。

エントリー料

各レース、イベントのエントリー料は次の通りとなります。

  • UTMB® : 280ユーロ(前回は262ユーロ、前々回は250ユーロ、前々々回は235 ユーロ、前々々々回は219 ユーロ)
  • CCC® : 169ユーロ(前回は157ユーロ、前々回は150ユーロ、前々々回は143 ユーロ、前々々々回は136 ユーロ)
  • TDS® : 211ユーロ(前回は197ユーロ、前々回は170ユーロ、前々々回は158 ユーロ、前々々々回は150 ユーロ)
  • OCC : 95ユーロ(前回は87ユーロ、前々回は85ユーロ、前々々回は73 ユーロ、前々々々回は71 ユーロ)
  • PTL® : 1チームにつき1300ユーロ(前回は1200ユーロ、前々回は960ユーロ、前々々回は880 ユーロ、前々々々回は690 ユーロ)
  • MCC:ボランティア・46ユーロ(前回は41ユーロ)、地元自治体居住者およびパートナー関係者・69ユーロ(前回は62ユーロ)
  • YCC : 34ユーロ(前回、前々回、前々々回ともに30ユーロ)
[コロンビアモントレイル] トランスアルプスF.K.T.2 UTMB女性用 YL1024 ブラック/レッドコーラル 7H [コロンビアモントレイル] トランスアルプスF.K.T.2 UTMB女性用 YL1024 ブラック/レッドコーラル 7H [モントレイル] Columbia montrail(コロンビア トランスアルプスF.K.T.2UTMB男性用 YM0731 ブラック/ダークコンパス 7H [モントレイル] Columbia montrail(コロンビア トランスアルプスF.K.T.2UTMB男性用 YM0731 ブラック/ダークコンパス 7H

投稿 2020年のUTMB® Mont-Blanc 概要まとめ・プレエントリー受付中、必要なポイント数は引き下げられています。DogsorCaravan トレイルランニング・スカイランニングのオンラインメディア に最初に表示されました。

【お知らせ】「DogsorCaravan Award」を「日本トレイルランナー・オブ・ザ・イヤー」に代えて発表します。

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「DogsorCaravan」では日本の「トレイルランニング」において特に賞賛に価するパフォーマンスをみせた選手を讃える「日本トレイルランナー・オブ・ザ・イヤー」(Trail Runner of the Year in Japan)を2013年から昨年2018年まで6回にわたって選びました。

今年2019年については「日本トレイルランナー・オブ・ザ・イヤー」に代えて「DogsorCaravan Award」(ドッグスオアキャラバン・アワード)を選ぶこととします。この変更にあわせて、選考の対象について当サイトが主に紹介している競技分野全体に広げることとします。すなわち、従来に加えてロードを含めたウルトラマラソンやマウンテンランニングが対象に加わります。

DogsorCaravan Awardの選考にあたってはインターネット上での投票は行わず、当サイトの編集人、岩佐幸一が独りでその責に当たります。

2019年DogsorCaravan Awardは、12月31日(火)に当サイトの記事として発表します。

以下、今年のDogsorCaravan Awardへの変更にあたっての趣旨を説明します。


名称と実体の差からくる違和感を解消

当サイトを現在の形で運営するようになってまもなく、一年を振り返る企画にわかりやすい名前を選んだ結果が「日本トレイルランナー・オブ・ザ・イヤー」でした。以来、このスポーツに関わりの深い方々にアンケートを行ったり、信頼できる友人の皆さんと率直な意見を交えて相談したり、候補者としてノミネートした選手の皆さんについてインターネット上で広く読者の皆さんから投票していただくなどの取り組みをしてきました。ただ、それらを参考にしつつも最後は当サイトの岩佐の判断により受賞者を選考してきました。

年を追うにつれてこの企画について関心を持ってくださる方が増え、選考対象となる選手の皆さんからはこの企画が励みになるといううれしいお話を聞く機会もありました。しかし、そうして注目が集まるにつれて読者や選手の皆さまが「日本トレイルランナー・オブ・ザ・イヤー」という名前から期待されることに、この企画が応えられていないと感じることが増えました。

第一に「トレイルランニング」を対象とするというとき、その言葉の意味はITRAによる定義と同様に広く考えてきましたが、最近ではそれが適切でないというご指摘を受けることがあります。

第二にトレイルランニングというスポーツの認知度が高まるにつれて「日本トレイルランナー・オブ・ザ・イヤー」という言葉の持つ重みもそれだけ増してきます。当サイトのような小さなメディアが最後は一人で選んでいる賞の名称としては、身の程を超えて大げさすぎる、といわれても仕方ありません。この賞をよりしっかりした体制の元で運営することで僭称の謗りを拭うこともできるかもしれませんが、その主宰者となることは当サイトにとっていささか荷が勝つのが実情です。

近年感ずる企画の名称と実体のこのような落差を解消するため、名称を「DogsorCaravan Award」(ドッグスオアキャラバン・アワード)に改めることとします。

異なる各分野のパフォーマンスの素晴らしさをあえて比較する、という趣旨から選考対象を拡大

「トレイルランニング」という言葉から連想される競技は今や一つではなく、選手もそれぞれ軸とする分野を中心にして活躍することが多くなりました。スカイランニング、トレイルランニング、100kmや100マイルのウルトラトレイル、バーティカルキロメーターなどなど。日本ではまだあまり知られていないマウンテンランニングもこれからここに加わるでしょう。ロードのウルトラマラソンについては「日本トレイルランナー・オブ・ザ・イヤー」では対象としていませんでしたが、距離という点でウルトラトレイルと共通しているところがあり当サイトでは随時話題を紹介しています。

選手のパフォーマンスの比較は客観的である必要がある、とするなら分野の異なる競技の結果を比較することはできないでしょう。しかし、当サイトが日頃ご紹介しているレースなどの結果をみていると、主観的ではあるが異なる分野の結果を見比べて注目すべき結果を挙げることもできると考えます。

「DogsorCaravan Award」(ドッグスオアキャラバン・アワード)では異なる分野の中から最も優れたパフォーマンスをみせた選手を選ぶ、という趣旨を改めて確認します。さらに「日本トレイルランナー・オブ・ザ・イヤー」の名称を返上するのを機に、選考の対象を当サイトが関心を持って紹介している競技の各分野全体とします。これにより、ロードのウルトラマラソンが対象に加わります。

読者投票は行わず、パフォーマンスに基づいて選ぶことを明確に

「DogsorCaravan Award」を選ぶにあたっては、その1年間のレースなどで日本を拠点に活動した選手で、各地の大会などで最も優れたパフォーマンスをみせた選手を選びます。タイム、順位、レースの内容といった要素に注目しますが、世界選手権、日本選手権、シリーズ戦などの目立ったタイトルのかかる大会だけでなく、幅広い大会やFTKでの結果も勘案します。この選考基準については「日本トレイルランナー・オブ・ザ・イヤー」から変わりません。

これまで「日本トレイルランナー・オブ・ザ・イヤー」では、読者の皆さんにこの選考基準を共有した上で一緒に一年を振り返る機会としてインターネット上の投票の機会を設けてきました。ただ、この投票が必ずしも意図した通りには機能していないのではないか、というご意見を聞く機会が増えていました。このため、今回は読者の皆さんによる投票は行わないこととします。


年の瀬が迫る中での恒例企画の大幅な変更となり、楽しみにしていただいている読者の皆さまには申し訳ありません。大晦日に発表する今年のDogsorCaravan Awardをどうぞお楽しみに。

参考・これまでの「日本トレイルランナー・オブ・ザ・イヤー」(Trail Runner of the Year in Japan)

  • 2013年:原良和さん、大石由美子さんが本賞、山ノ内はるかさん、宮原徹さん、神流町のうめこさんが特別賞を受賞(ノミネート受賞者発表
  • 2014年:上田瑠偉さん、大石由美子さんが本賞、西田由香里さん、星野由香理さん、松本大さん、望月将悟さんが特別賞を受賞。貢献に対する特別賞は相馬剛およびFuji Trailheadさん(ノミネート受賞者発表
  • 2015年:土井陵さん、丹羽薫さんが本賞、星野由香理さん、宮崎喜実乃さん、松本大さん、小原将寿さんが特別賞を受賞。貢献に対する特別賞はパワースポーツ・滝川次郎さん(ノミネート受賞者発表
  • 2016年:大杉哲也さん、吉住友里さんが本賞、高村貴子さん、丹羽薫さん、上田瑠偉さん、川崎雄哉さんが特別賞(ノミネート受賞者発表
  • 2017年:上田瑠偉さん、丹羽薫さんが本賞、高村貴子さん、吉住友里さん、小川壮太さん、三浦裕一さんが特別賞を受賞(ノミネート受賞者発表
  • 2018年:三浦裕一さん、高村貴子さんが本賞、吉住友里さん、立石ゆう子さん、荒木宏太さん、城武雅さんが特別賞を受賞(ノミネート受賞者発表

投稿 【お知らせ】「DogsorCaravan Award」を「日本トレイルランナー・オブ・ザ・イヤー」に代えて発表します。DogsorCaravan トレイルランニング・スカイランニングのオンラインメディア に最初に表示されました。

受賞者発表・「DogsorCaravan Award 2019」

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当サイト・DogsorCaravanが関心を持ってフォローしているトレイルランニング、スカイランニング、ウルトラマラソンにおいて、日本を拠点に活動するアスリートでその年にもっとも賞賛に値するパフォーマンスを示した人を「DogsorCaravan Award」(ドッグスオアキャラバン・アワード)として選びます。

これまで当サイトが主催してきた「日本トレイルランナー・オブ・ザ・イヤー Trail Runner of the Year in Japan」(TROYJ)に代わる賞となり、対象にウルトラマラソンを加えたこと、読者投票を行わず当サイト編集人の岩佐が独りで選考に当たることを明確にしたこと、が異なります。

【お知らせ】「DogsorCaravan Award」を「日本トレイルランナー・オブ・ザ・イヤー」に代えて発表します。

2019.12.27

DogsorCaravan Award・本賞

女性の部・吉住友里 Yuri Yoshizumi

今年最もめざましい成績を挙げた女性アスリートには吉住友里 Yuri Yoshizumiさんを選びました。すでに日本のスカイランニング、トレイルランニングの世界でトップ選手として知られるようになって久しい吉住さんですが、今年はUTMB®︎ Mont-Blancの56kmのレース、OCCで3位となる快挙を見せてくれました。さらに世界の頂点を極めようと取り組み続けているバーティカルキロメーターでは世界シリーズ戦(Vertical Kilometer World Circuit)では、粟ケ岳2位、Olympus2位などで年間ランキング2位に。さらにトレイル世界選手権(ポルトガル)では16位となりました。国内でもバーティカルキロメーターではジャパンシリーズ、日本選手権を制し、富士登山競走では4回目の優勝を果たしています(2016年五合目、2017年山頂、2018年山頂、2019年山頂<五合目打ち切り>)。吉住さんは「日本トレイルランナー・オブ・ザ・イヤー」では2016年に本賞、2017年と2018年は特別賞を受賞しています。

吉住友里 Yuri Yoshizumiさん(2019年トレイル世界選手権)

  • 今年の主なリザルト・吉住友里 Yuri Yoshizumi
    • OCC・3位
    • 粟ヶ岳VK・2位
    • Olympus Marathon VK・2位
    • Marathon Transvulcania・優勝
    • トレイル世界選手権(ポルトガル)・16位
    • 富士登山競走山頂コース(五合目打ち切り)・優勝
    • 大紀町シーサイドトレイル・優勝
    • OSJ奄美50k・優勝
    • 善光寺ラウンドトレイル・2位
    • 上田VK・優勝
    • 経ヶ岳VL・2位
    • 志賀高原マウンテントレイル・優勝
    • モントレイル黒姫・優勝
    • 野沢トレイルフェス27k・優勝
    • 武田の杜・優勝
    • 四国中央VK・優勝
    • びわ湖VK・優勝
    • 烏帽子VK・優勝

受賞インタビュー・吉住友里 Yuri Yoshizumiさん

ー 秋にはケガをされたりしたこともありましたが、結果としては素晴らしい1年でしたね。

「今年はいろいろな経験をさせてもらいました。バーティカルキロメーター・ワールドサーキットについては、(ポイントがカウントされる)年間に5つのレースに必ず出るとは決めていませんでした。春の粟ヶ岳、夏のOlympus(ギリシャ)で2位になり、これはやるしかない、と秋まで挑戦を続けることを決めました。ヨーロッパのレースではシリーズ戦でいつも上位の選手だけでなく、それぞれの大会の地元に強い選手がいたりして、改めて選手層の厚さを実感しました。」

ー 今年10月からは富士吉田に移住されたと聞きました。

「ここ何年か、夏の間は富士山の山麓を拠点にしてトレーニングしていました。練習の環境が素晴らしいのはもちろん、地元の皆さんに親切にしていただいて、ここに住みたいと思うようになりました。引っ越しをしてから2ヶ月になりますが、レースだったりトレーニングだったりで出かけてばかりです。それでも、あの富士山の麓に自分の家がある、と思うと気持ちが落ち着きます。」

ー 来年の目標を聞かせてください。

「来年はナショナルチームのメンバーとしてスカイランニング世界選手権(7月)に参加して、日本チームとしてメダルを目指します。富士吉田でも何か自分の得意なことを生かして地元を盛り上げるために役に立てたらいいな、と考えています。」

男性の部・上田瑠偉 Ruy Ueda

DogsorCaravan Award・本賞には上田瑠偉 Ruy Uedaさんを選びました。今シーズンの上田さんは今年からカテゴリーが一本化されたスカイランナー・ワールドシリーズで実力を発揮。日本での開幕戦、粟ヶ岳スカイレースでの勝利の後は欧州で転戦し、距離やコースの特性が異なるレースに挑み続けました。最終戦となるLimoneでは最終盤まで勝負を持ち込んでの劇的な勝利を勝ち取って、年間シリーズチャンピオンとなりました。同シリーズを日本人選手が制したのは初めて。改めて世界的なトップ選手としてその存在を知られることになりました。このほかにも国内ではOSJ新城32k、日光マウンテンマラソンなどで優勝。7月には富士登山競走に初めて挑戦し、五合目打ち切りとなったレースで2位となっています。上田さんは「日本トレイルランナー・オブ・ザ・イヤー」では2014年、2017年に本賞、2016年に特別賞を受賞しています。

上田瑠偉 Ruy Uedaさん(ワールドシリーズ最終戦) Photo by © Sho Fujimaki

  • 今年の主なリザルト・上田瑠偉 Ruy Ueda
    • OSJ新城32k・優勝
    • 粟ヶ岳SKY・優勝
    • RedBull 400札幌・優勝
    • 戸隠マウンテントレイル・優勝
    • Livigno・優勝
    • 中央アルプス・優勝
    • BUFF® Epic Trail・4位
    • Royal Ultra SkyMarathon Gran Paradiso・3位
    • Ultra Pirineu・4位
    • Limone・優勝
    • 日光マウンテンマラソン・優勝
    • 富士登山競走・2位
    • びわ湖VK・優勝
    • びわ湖SKY・優勝

受賞インタビュー・上田瑠偉 Ruy Uedaさん

ー トレイルランニング、スカイランニングのプリンスとして有名な上田さんですが、今年のレースでの粘り強さ、シーズンを通じての安定感はさらにレベルが一段上がったと感じます。

「どうでしょうか。ワールドシリーズは目標にしてきましたから優勝は当然うれしいのですが、来年もまた同じようなパフォーマンスをみせることができるかどうかはわかりません。あれはまぐれだった、ということにならないようにしたいですね。昨年2018年に比べてケガが少なかったのはよかったですが、特段トレーニングを変えたわけではありません。今年はうまく行き過ぎたシーズンで、来年はこんなにうまくいかないだろうと思います。」

ー 来年2020年には、いよいよフランスに住んでアスリート活動に打ち込むことになりますね。

「大きく環境が変わりますから、たぶん最初は同じようにアスリートとしての力を発揮するのは難しいんじゃないかと覚悟してます。ただ、目の前のいいこと悪いこと、全ての経験は将来に向けてのプラスになる、自分が化けるための糧になるに違いないと思っています。今年は世界チャンピオンになれましたが、そこで満足して停滞してはいけない、例え結果が出なくても新しい環境で挑戦を続けたい。アスリートとして、さらに人間として成長したいと考えています。」

ー アスリートとしての来年の目標を聞かせてください。

「今年の世界シリーズ年間チャンピオンとして、スカイランナー・ワールドシリーズやスカイランニング世界選手権に挑戦します。それ以外にも欧州の魅力あるレースには出たいと思っています。例えば、Zegama、Dolomyths Run、Sierra Zinalは走りたいですね。」

特別賞

女性の部(順不同)

本賞の吉住友里さんと並んで今年、素晴らしい成績を挙げたアスリートとして5名を選びました。

高村貴子 Takako Takamuraさん(Madeira Sky Race)Photo by MIGU RUN Skyrunner World Series

昨年の「日本トレイルランナー・オブ・ザ・イヤー」本賞の高村貴子 Takako Takamuraさんは今年も精力的に国内外のレースに挑戦。スカイランナー・ワールドシリーズでは粟ケ岳3位、Royal Ultra Sky Marathonで7位、Comapedrosaで8位、 Matterhorn Ultraksで8位、Limoneで10位。国内でも7月の北丹沢での2位や上州武尊山スカイビュー30で男女総合4位での優勝が印象的でした。

その北丹沢で優勝したのは立石ゆう子 Yuko Tateishiさん。高村さんが優勝した上州武尊山スカイビュー30では2位。スカイランニング日本選手権となった志賀高原エクストリーム54kでは2位に。立石さんは昨年の「日本トレイルランナー・オブ・ザ・イヤー」の特別賞でした。

星野由香理 Yukari Hoshinoさんはその志賀高原エクストリーム54kで優勝。来年はスカイランニング世界選手権に焦点を合わせます。今年はTDS®︎で13位、UTMFでは7位となっています。2014年、2015年の「日本トレイルランナー・オブ・ザ・イヤー」の特別賞受賞者です。

今年春のUTMFで浅原かおり Kaori Asaharaさんは前回に続いての女子3位で表彰台に立ちました。このほかにもOSJおんたけ100kや甲州アルプスオートルートチャレンジ67kで優勝しています。

藤澤舞 Mai Fujisawaさん(サロマ湖100km)

ウルトラマラソンからは藤澤舞 Mai Fujisawaさんを特別賞に選ばせていただきます。昨年2018年は100km世界選手権で3位となった藤澤さんですが、今年は自己ベストのタイムでサロマ湖100kmを連覇。秋に行われた100kmアジア・オセアニア選手権で優勝しています。

男性の部(順不同)

男性では4人の選手を特別賞とさせていただきます。

石川佳彦 Yoshihiko Ishikawaさん(2018年Spartathlon)

ウルトラマラソンとスカイランニングの成績を比較することは難しいですが、超長距離ウルトラマラソンランナー、石川佳彦 Yoshihiko Ishikawaさんの今年のパフォーマンスは本賞の上田瑠偉さんと甲乙付けがたい素晴らしさでした。アメリカ・カリフォルニア州の灼熱の217km、Badwater 135を大会新記録で優勝。さらに東呉大学(Soochow University)で開催の24時間走では世界歴代4位の279.427kmを記録。200kmを超えるウルトラマラソンで世界の第一人者として注目を集めています。

小原将寿 Masatoshi Obaraさんは今年のUTMFで海外のトップ選手に続く4位となったことが話題になりましたが、その後のUTMB®︎では8位となって表彰台に立つ快挙を見せてくれました。2009年に鏑木毅(3位)、横山峰弘(6位)、山本健一(8位)の皆さんが表彰台に立ってから10年。続く世代の小原さんがUTMB®︎で8位となったことは日本のトレイルランニングの歴史に刻まれました。

ウルトラトレイルの分野では小原さんの活躍の影に隠れたかもしれませんが、大瀬和文 Kazufumi Oseさんのとりわけシーズン前半のパフォーマンスは素晴らしいものでした。2月の香港で行われた9 Dragons Ultraではジュリアン・ショリエを、3月のTranslantauではアントワーヌ・ギュイヨンを破って優勝。4月のUTWTシリーズ戦の100 miles of Istriaで優勝。「DogsorCaravan Award」の趣旨からは大瀬さんは特別賞として評価されるべきと考えました。

喜多村久 Hisashi Kitamuraさん Photo courtesy of Asia Trail Master

最近、トレイルランニングの人気が高まっている東南アジアについて、当サイトではAsia Trail Masterのニュースを通じてお伝えしています。その中で今シーズン話題の人となったのがマレーシア在住の喜多村久 Hisashi Kitamuraさん。今シーズンはAsia Trail Masterの11のレースで上位に入り続けて年間ランキング2位となりました。その中には12月のIzu Trail Journeyでの10位も含まれています。無論、相対的にみた東南アジアのレースの競技レベルはまだ世界と差がありますが、年間を通じて挑戦を続けたその成果について特別賞とさせていただきます。

2019年の注目選手

今回の「DogsorCaravan Award」を選ぶにあたって、各地で活躍した450人以上の選手の皆さんについて振り返りました。その中で注目すべきと考えた方々をここで紹介します。

女性の部(順不同)

  • 兼松藍子 Aiko Kanematsu: IAU24時間走世界選手権で6位、 富士五湖100k優勝
  • 秋山穂乃果 Honoka Akiyama: 千羽海崖トレイルランニングレース、OSJ新城32kで優勝、上田SKYで2位。
  • 枝元香菜子 Kanako Edamoto: TransJeju優勝、菅平スカイライン50k優勝、上州武尊山スカイビュー140で2位。
  • 丹羽薫 Kaori Niwa: トル・デ・ジアンで5位、Oman by UTMB®︎ 170kで優勝、Andorra Ultra Trail Euforiaで男女ペアトップ
  • 大石由美子 Yumiko Oishi: 上州武尊山スカイビュー140で優勝。OSJ新城64k、奥三河、道志村、甲州アルプス67kで優勝。

男性の部(順不同)

  • 横内佑太朗 Yutaro Yokouchi: OSJ奄美50k、OSJおんたけ100kで優勝。ハセツネ30K、ロッキンベア黒姫42k、ITJで2位。
  • 黒河輝信 Terunobu Kurokawa: Aso Round Trail 120k、上州武尊山スカイビュー140で優勝。
  • 町田知宏 Tomohiro Machida: スパトレイル56k、トレニックワールド外秩父50kで優勝。石岡51kで3位、OSJ真昼山地で2位、志賀高原エクストリーム58kで4位。
  • 近江竜之介 Ryunosuke Ohmi: 中央アルプススカイラインジャパンで2位、志賀高原エクストリーム32kで3位、四国中央VKで優勝。
  • 風見尚 Nao Kazami: Comrades Marathon(南アフリカ)で3位。
  • 西村広和 Hirokazu Nishimura: スパトレイル72k、信越五岳110k、Madarao50k、ITJで優勝。
  • 近藤敬仁 Yoshihito Kondo: 上田SKY、北丹沢、経ヶ岳、甲州アルプス67kで優勝。志賀高原エクストリーム32kで2位。

2020年もDogsorCaravanをどうぞよろしくお願いいたします。

投稿 受賞者発表・「DogsorCaravan Award 2019」DogsorCaravan トレイルランニング・スカイランニングのオンラインメディア に最初に表示されました。

日本からは331人が参加権を獲得・UTMB® Mont-Blanc 2020の抽選結果発表

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UTMB-2016-logo-Columbia過去と比べて最高の331人が日本から参加権を手にしました。

今年も2020年UTMB®︎ Mont-Blancの抽選結果が日本時間1月9日午後6時に発表され、日本からは全体で1,031人のエントリーのうち、331人が参加権を手にしました。2020年のUTMB® Mont-Blancは8月24日から30日にかけて開催されます。

年々増え続ける参加申し込みに対応するため、「ランニングストーン」の導入をはじめとする大幅なエントリー制度の改革が実施されるのは来年2021年大会から。今回の2020年大会のエントリーでは先行して改革の一部が実施されています。その結果、UTMB®︎、CCC®︎、OCCではエントリー資格として必要なポイント数が引き下げられたため、日本からのプレエントリー者数は急増し、ついに1,000人を超えました。ただ、ポイント数が据え置かれたTDS®︎は昨年よりプレエントリー者数が減っています。

これに伴い、TDS®︎以外では抽選での当選率は大幅に下がり、UTMB®︎では22%、OCCでは7%という狭き門に。抽選による当選者数は昨年並みでしたが、100マイルのUTMB®︎では今回が最後となる「二年連続で落選したら翌年は抽選免除」という優先権を行使した人が増えた模様です。抽選直後の日本からの参加権獲得者数は全レース合計で331人に達し、当サイトが記録している2014年以来で(そしておそらく大会の歴史を通じても)最高となりました。

ちなみに中国(香港を除く)からは1,168人がプレエントリーしていて359人が出場権を獲得。内訳では170kmのUTMB®︎が113人(日本は204人)、PTL®︎が27人(日本は3人)となっています。

  • UTMB® – Consult registrations:抽選結果を伝える大会サイト。CountryでJapanを選ぶと日本からのエントリー者の一覧が見られる他、Nameから個別の名前で検索することもできる。Statuteの欄でAcceptedなら当選、Refusedは落選。Registeredは昨年までの落選による優先権を得て、または当選後にエントリー手続き完了済みであることを示しています(このほか有力選手など一部のエントリーについては抽選なしで参加権を得ています)。

来年からは「ランニングストーン」を初めとする新しいエントリー制度がスタートします。エントリー数はこれからも増えていくでしょうが、「by UTMB®︎」やUTWTのレースを完走して「ランニングストーン」を得れば、それが有効な4年間のどこかで抽選免除や抽選券の大幅追加でエントリー権は獲得しやすくなります。一方、そうして「ランニングストーン」を得る人が増えてくると、「ランニングストーン」を得ずに地元の大会だけでポイントを満たしてエントリーしても当選する確率はずっと低くなるかもしれません。

数字でみる抽選の結果

日本からのエントリー

以下に日本からのエントリー数について過去の実績とともにまとめました。日本からエントリーが決まった当サイト注目の有力選手は次の通り。

  • UTMB:丹羽薫、小原将寿、土井陵、大瀬和文、西村広和、小川壮太
  • CCC:三浦裕一
  • TDS®︎:杉本愉、星野由香理、松永紘明、リチャード・コフラン、鈴木博子
  • OCC:上田瑠偉、吉住友里

UTMB(全体の定員2300人)

  • エントリー数 718人<うち55人は昨年までの落選またはエリート選手として優先権あり>(2019年470人、2018年281人、2017年288人、2016年284人、2015年334人、2014年425人、2013年274人)
  • 抽選による当選者 149人<当選率 22.47%>(2019年135人<当選率 30.82%>、2018年104人<当選率 38.81%>、2017年117人<当選率 43.17%> 、2016年120人<当選率 45.80%>、2015年142人<当選率 44.10%>、2014年188人<当選率 44.24%>、2013年88人(当選率 40.7%)>

CCC(全体の定員1900人)

  • エントリー数 163人<うち9人は昨年までの落選またはエリート選手として優先権あり>(2019年112人、2018年121人、2017年144人、 2016年95人、2015年75人、2014年81人、2013年56人)
  • 抽選による当選者 31人<当選率 20.13%>(2019年35人<当選率 33.33%>、2018年58人<当選率 48.74%>、2017年77人<当選率 54.61%>、2016年57人<当選率 61.29%>、2015年54人<当選率 72.00%>、2014年49人<当選率 60.49%>、2013年32人(当選率 64.0%)>

TDS(全体の定員1600人)

  • エントリー数 62人<うち5人は昨年までの落選またはエリート選手として優先権あり>(2019年90人、2018年63人、2017年69人、2016年73人、2015年32人、2014年17人、2013年11人)
  • 抽選による当選者 48人<当選率 84.21%>(2019年49人<当選率 56.32%>、2018年41人<当選率 70.69%>、2017年53人<当選率 80.30%> 、2016年68人<当選率 93.15%>、2015年32人、2014年17人、2013年11人)

2015年までTDSはエントリー数が定員を超えなかったため抽選は行われませんでしたが、2016年からは抽選が行われています。

OCC(全体の定員1200人)

  • エントリー数 66人<うち9人は昨年までの落選またはエリート選手として優先権あり>(2019年53人、2018年62人、2017年50人、2016年28人、2015年23人、2014年23人)
  • 抽選による当選者 4人<当選率 7.02%>(2019年8人<当選率 17.02%>、2018年13人<当選率 21.31%>、2017年19人<当選率 38.78%>、2016年14人<当選率 50.50%>、2015年9人<当選率 39.13%>、2014年15人<当選率 65.22%>)

MCC

  • エントリー数 16人(UTMBのパートナー枠での申し込みのみで抽選はなし、2019年7人)

YCC

  • エントリー数 2人(抽選なし)

PTL(300kmの2ー3人一組のチームレース、全体の定員100チーム)

  • エントリー数 2チーム4人(2019年9チーム24人、2018年1チーム3人、2017年4チーム13人<うち1チーム1人は海外メンバーとのチーム>、2016年1チーム1人<海外メンバーとのチーム>、2015年4チーム11人、2014年4チーム11人、2013年2チーム6人)
  • 抽選による当選者 1チーム3人(2019年7チーム18人)

全レースの合計

  • エントリー数 1,031人(2019年756人、2018年531人、2017年564人、2016年481人、2015年475人、2014年557人、2013年347人)
  • 抽選直後の当選者、参加権者合計 331人(2019年300人、2018年241人、2017年303人、2016年285人、2015年260人、2014年280人、2013年201人)

過去と比較できる締め切り時点での全体のエントリー状況は次の通りです(追記:今回の「2020年」についてのデータを書き加えました)。

  • UTMB:2014年226%→2015年218%→2016年193%→2017年198% →2018年228%→2019年340%→2020年415%
  • CCC:2014年174%→2015年142%→2016年145%→2017年182% →2018年196%→2019年363%→2020年522%
  • OCC:2014年164%→2015年255%→2016年164%→2017年239% →2018年370%→2019年508%→2020年724%
  • TDS:2014年88%→2015年83%→2016年106%→2017年118% →2018年138%→2019年223%→2020年158%
  • PTL:2018年102%→2019年・応募者数382人→2020年%
  • MCC:2019年・73%→2020年84%(ボランティア、地元居住者および大会または大会パートナー経由の申込者のみエントリー可能)
  • YCC:2018年56%→2019年83%→2020年59%

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2020年マウンテンランニング・ワールドカップ Mountain Running World Cupは3つのカテゴリーの12レースで開催 #WMRA

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WMRA-logo世界マウンテンランニング協会(World Mountain Running Association)は今年2020年のシリーズ戦、「マウンテンランニング・ワールドカップ Mountain Running World Cup」の日程が発表しました。構成するレースは9つの大会の12のレース。一昨年の5レース、昨年の7レースから規模が拡大されたほか、3つのカテゴリーが導入された点にも注目です。

第三戦のBroken Arrow Skyrace(アメリカ)、第四戦のGrossglockner Berglauf(オーストリア)、第五戦のSierre-Zinal(スイス)は昨年に続いてラインナップされていますが、他はW杯初登場。カテゴリーは距離が20km前後未満の「クラシック Classic Mountain Race」、45km以下の「ロングディスタンス Long Distance Mountain Race」、そして登りを駆け上がる「バーティカル Vertical Uphill Race」の三つから構成されます。

このうち、バーティカルについては最近のマウンテンランニングのW杯、世界選手権では競技フォーマットとして見慣れない印象があります。WMRAによれば、協会設立直後の1985年9月にイタリアで開催された初めてのマウンテンランニング世界選手権では主に登りのみの14km 1,080mD+で「バーティカル Vertical Mountain Race」を開催。以後も世界選手権は登りのみのレースであったことも、登りと下りからなるレースであったこともあるようです。これが、今年は登りのみのレースが「バーティカル」という3つ目のカテゴリーとしてW杯に加わることになりました。

バーティカルといえば、近年ではスカイランニングの一つの競技とされる「バーティカル・キロメーター Vertical Kilometer」がよく知られています。競技のフォーマットとしてはマウンテンランニングもスカイランニングもよく似ているといえます。

ただ、今シーズンはバーティカル・キロメーターの世界シリーズ戦である「バーティカルキロメーター・ワールドサーキット Vertical Kilometer World Circuit」の開催が見送られます。これによってスカイランニングからバーティカル・キロメーターがなくなったわけではなく、スカイランニング世界選手権や各国の国内選手権ではバーティカル・キロメーターが開催されるほか、代わる世界シリーズ戦が今後発表されることもあるかもしれません。とはいうものの、山を駆け上がる競技としてはマウンテンランニングの「バーティカル」が注目を集める場面も今年は増えそうです。

なお、マウンテンランニングでは11月14-15日にスペイン・カナリア諸島で開催のHaria Extreme Lanzaroteにおいて今年の「マウンテンランニング世界選手権」を開催し、10km 700mD+の登りのみの「クラシック」、42km 1,900mの「ロングディスタンス」のレースが行われます。

2020年WMRAマウンテンランニング・ワールドカップ WMRA MOUNTAIN RUNNING WORLD CUP

  • 5月3日 Zumaia Flysch Trail Mendi Maratoia スペイン、バスク州スマイア
    • Long Distance: 42km 3,000mD+
    • Classic: 14km 425mD+
  • 5月16-17日 Trofeo Nasego イタリア、ロンバルディア州ブレシア県
    • Vertical: 4.2km 1,000mD+
    • Classic: 21.5km 1,336mD+
  • 6月21日 Broken Arrow Skyrace アメリカ、カリフォルニア州スコーバレー
    • Long Distance: 26km 1,700mD+
  • 7月12日 Grossglockner Berglauf オーストリア、ハイリゲンブラット=アム=グロースグロックナー
    • Classic: 13km 1265mD+ (uphill, no major downhill)
  • 8月9日 Sierre-Zinal スイス、バレー州シエール
    • Long Distance: 31km 2,200mD+
  • 8月16日 Krkonossky Half Marathon チェコ、フラデツ・クラーロヴェー州ヤーンスケー・ラーズニェ Janské Lázně
    • Classic: 21km 1,200mD+
  • 9月12-13日 Canfranc-Canfranc スペイン、アラゴン州カンフランク
    • Long Distance: 45km 3,910mD+
    • Classic: 16km 1,195mD+
  • 9月19日 Nordkette Vertical オーストリア、インスブルック
    • Vertical: 6km 1,400mD+
  • 10月4日 Kilometro Verticale Chiavenna-Lagunac イタリア、ロンバルディア州キアヴェンナ
    • Vertival: 3.298km 1,000mD+

 

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自然環境に配慮して飛行機の旅は最小限に。今年のキリアンは二つのレースと個人プロジェクトに集中。

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レースで活躍する姿を見る機会は少なくなりそうですが、キリアンが発信するメッセージにはますます注目が集まることになるかもしれません。

(写真・2019年、ヒマラヤでのキリアン。Photo by © Philipp Reiter)

トレイルランニングだけでなく、山岳スキーや各地の高山での最速登頂記録でも知られるのがキリアン・ジョネット Kilian Jornet。カタルーニャ出身の彼は、パートナーのエミリー・フォルスベリ Emelie Forsberg、そして昨年産まれた娘とともにノルウェーで暮らしています。そのキリアンの今年の予定についてプレスリリースが発表されました。

レースは3月のスキーマウンテニアリングのビッグイベント、ピエラ・メンタ Pierra Menta(フランス)と8月のトレイルランニングレース、パイクスピーク・アセント&マラソン Pikes Peak Ascent & Marathon(アメリカ)に絞り込むとのこと。キリアンはこれまでピエラ・メンタでは4回、パイクスピークではマラソンで2度、優勝しています。レースの他にはヒマラヤとノルウェーでのプロジェクトを予定。昨年公開されたノルウェーでのスキー滑降「Troll Wall」、自宅からスタートして山の中を168km、22,000mD+を56時間かけて走り続けた「A Long Day Out」に続くエピソードが今年も生まれることでしょう。さらに、自然環境に配慮してレースなどは大事なものに絞りこんで可能な限り飛行機の旅を避ける、としています。

キリアンは自然環境についての自身の向き合い方について次のようにコメントしています。

「山は私の生きる場所であり、遊び場でもあります。この山を未来に世代にそのまま残していきたい。山と自然を守るためにできる限りのことをすることが大切だと考えています。今年はレースや登山のための旅をするにあたってはこれまで以上に慎重に考えたいと思います。遠くに旅をする場合には、エミリーと一緒にやりたいことをできるだけまとめて、長期間の旅にします。そうすれば、飛行機で頻繁に移動を繰り返さずに済みます。可能な限り、飛行機よりも自動車や列車での旅を選びます。私たちにとって本当に大切なレースやプロジェクトは何か。そう自問して納得できる場合にだけ旅をするつもりです。」

10年以上、世界トップの山岳アスリートとして高みに立ち続けているキリアンは現在32歳。アスリートとしての力には全く衰えは見えませんが、これからどんなテーマに向き合い、どんなメッセージを我々に伝えてくれるのか。世界のファンの注目を集めることになるでしょう。

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日本トレイルランナーズ協会「トレイルレースをもっと安全に!大会主催者ミーティング」を3月18日に開催

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日本トレイルランナーズ協会(JTRA)は、3月18日(水)に東京都内で「トレイルランニング大会主催者ミーティング」を開催します。

昨年は7月のThe 4100Dマウンテントレイル in 野沢温泉で参加者の遭難事故がありました。これを機にJTRAでは事故を防ぎ安全を守る取り組みを続けており、今回は大会主催者の皆さんを対象にした意見交換の場となります。

以下はJTRAのウェブサイトに掲載された告知からの引用です。参加申し込みはこちらから。

私たちは昨年10月に「道迷いによる事故を防ぐには、素早い救助をするには」を発表し、先日の福岡フォーラムでは「トレイルランニング環境と異常気象」を議論するなど、トレイルランニング大会とトレイルランナーの安全について考えてきました。

そこでさらに多くの大会主催者や事業者が話し合い、安全性を高める具体的方法を共有するための意見交換会を開きます。

「トレイルランニング大会主催者ミーティング」

  • 日時:2020年3月18日(水) 14:00〜17:00(予定)
  • 会場:交通ビル会議室(東京都港区新橋5-15-5
  • 内容:最近の事故事例とその対応についての報告/リスクマネージメントについての議論/安全対策ツールの利用法について など

なお、会場費、資料費、通信費などのため、参加費ののご負担をお願いする予定です。

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「Thailand by UTMB®」、10月30日から11月1日に開催、3月10日受付開始

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秋シーズンのアジアに、また一つ注目の100マイルレースが登場します。UTMB®︎ Mont-Blancのスピリットとクオリティを世界に展開する「by UTMB®︎」のトレイルランニングレースに、「Thailand by UTMB®」が新たに加わることが発表されました。10月30日から11月1日に開催される第一回大会は3月10日からエントリーがスタートします。

舞台となるのはタイ北部チエンマイ県に位置する同国最高峰・ドイ・インタノン山(2,656m)周辺。国立公園内に設けられるコースは渡渉エリアや滝、王墓といったポイントをたどり、現地の人々の暮らしに触れながら選手はトレイルを進むことになります。つい先日、現地では1000人のランナーが参加してプレ大会も行われました。

第一回大会では「インタノン6」(175km)、「インタノン5」(120km)、「インタノン4」(80km)、「インタノン1」(25km)の4つのレースが行われます。後ろについている数字は完走すると得られるITRAポイントを示しています。ちなみにUTMB®︎ Mont-Blancのエントリーの抽選で有効な「ランニングストーン」も得られます。例えば「インタノン6」を完走すれば、他に4ポイントのレース(だいたい50-80kmくらい)を完走しておけばランニングストーンにより100マイルのUTMB®︎に抽選なしで出場権を得られます(詳しいことは当サイトの解説記事をご覧ください)。

最近トレイルランニングの人気が高まっている東南アジア。タイにおいてもトレイルランニングの大会はITRAに登録されているものだけでも2016年の14大会から現在では84大会を数えるまでに。

UTMB®︎ Mont-Blancのカトリーヌ・ポレッティさんとともにバンコクでの記者会見に出席したタイ王国観光・スポーツ省のピパット・ラッチャキットプラカーン長官は「世界のトレイルランナーの皆さんにタイがトレイルランニングのための最高のディスティネーションであることを知ってもらう絶好の機会。わが国の文化や自然に加えて最高のチームワークでThailand by UTMB®︎を成功させることで、大会をアジア有数のトレイルランニング大会に育てたい。」と話しています。

Thailand by UTMB®のエントリー開始は3月10日。大会の日程、コースの詳細、エントリーの仕組みなどについては、当面は大会公式のFacebookページでアナウンスされる模様です。

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【感想文付き】ウルトラトレイル・マウントフジは開催してほしいけれどいろいろ考えると開催は厳しそう 大会が今後の対応について発表

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開催されるとしても、ちょっといつもとは違う大会になりそうです。

4月24-26日に開催予定のウルトラトレイル・マウントフジ Ultra-Trail Mt. Fujiは新型コロナウィルス(COVID-19)の感染が拡大していることを受けて、2月28日に今後の対応について発表しました。大会の可否については3月16日月曜日について発表される予定です。

あっという間にランニングイベントに切迫してきた、これまでの新型コロナウィルスの経緯

すでに報じられている通り、原因不明の肺炎が中国・武漢市で見つかったのは昨年の12月の初め。年が明けるとその原因が新型コロナウィルスだと判明しますが、中国では武漢市や湖北省を中心に感染者や肺炎による死亡者が急増。春節を前にした1月23日から武漢市では人の出入りの制限が始まります。日本で見つかった最初の感染者は1月16日に判明した武漢市を訪れていた中国人男性。1月28日には武漢市からの団体旅行客を乗せた奈良県在住のバス運転手の感染が判明。以来、日本人帰国のためのチャーター機が飛び、横浜港沖にクルーズ船のダイヤモンドプリンセスが停泊して乗員乗客が集団感染。2月の半ばからは和歌山県の病院、東京の屋形船、ハワイから帰ってきた愛知県の人といった具合に感染のニュースが続くことになります。2月24日には国の専門家会議が「今後1-2週間が感染スピードを抑えられるかの瀬戸際」として、人との対面する機会を避け、軽い症状の場合は自宅で療養してほしいといった見解を発表。これを踏まえた政府の基本方針が発表されたのは25日。27日には安倍首相が全国の小中学校、高等学校に3月2日からの休校を要請。集団(クラスター)での感染が起こっている可能性があるとして北海道では28日に鈴木知事が3週間の緊急事態宣言を発表。翌日からの週末の外出を控えるように呼びかけました。2月28日午後10時時点で国内の感染者数は938人(うちクルーズ船が705人、チャーター機が14人)、死者が11人(うちクルーズ船が6人)になっています。

この過程で大勢の人が集まるイベントは感染リスクが高いとして開催を見送る動きが強まります。とりわけ、2月17日に東京マラソン(3月1日開催予定)が一般参加選手の参加を止めてエリート選手のみのレースを行うと発表したことは大きなきっかけになりました。以後、当サイトではランニング関係のイベントの開催予定と開催・中止の状況をまとめた記事をリアルタイムで更新し続けていますが、2月28日までに3月中に開催を予定していたマラソンなどの大会はほとんどが中止を決めました。4月以降の大会もすでに中止を決めたところがあるほか、ほとんどは予定通り開催を目指すとしながらも状況をみて中止にする可能性があると告知しています。中には5月に開催予定ながら早々と中止を決めた大会もあります。

新型コロナウィルスの行方は見通せないものの

さて、こうした中でトレイルランニング界では春の大規模なイベントとしてハセツネ30K(3月29日)とウルトラトレイル・マウントフジ(UTMF、4月24-26日)が控えています。トレイルランニングについては、数万人の観客が集まるスポーツイベントに比べれば動員数はずっと少なく、スタジアムのように人が密集することもあまりない。その上、屋外のスポーツなので感染リスクは低いかもしれません。とはいえ、UTMFとなると参加者数が2,400人と規模は大きく、距離165kmで制限時間が46時間とレースが広範囲で長時間にわたります。これに伴い大会のスタッフの人数は多く、負荷は重くなります。選手が感じるリスクに比べて、スタッフや大会を受け入れる地元の皆さんにとっては相対的にリスクは大きく感じられるかもしれません。

そう考えると、この状態が4月下旬まで続くならばUTMFも中止というのが順当な判断になりそうです。とはいえ、新型コロナウィルスの状況が今後どうなるか、確たる予想ができない中では結論を出すのは少し先にする、という今回のUTMFの発表は理解できるところです。

開催される場合の運営方針をみると、参加者へのプライベートサポートが行えないほか、エイドステーションではおそらく調理したり、手に取りやすく直に並べた状態では食品を選手に提供せず、密閉容器からその都度取り出したり個別に包装されたものだけとなりそう。それでも食べ物のことだけなら100マイルを走り抜くというガッツを持った選手には大したことではないかもしれません。

しかし、エキスポも行われず表彰式や閉会式も登壇者とスタッフだけで観客がいない状態、レース中は選手以外の人が応援のためにエイドに立ち入ることも禁止、となると大会会場の雰囲気はこれまでとは様変わりしそうです。UTMFの魅力のかなり大きな部分が失われるのは避けられそうにありません。

今回のUTMFが開催された場合に大会当日に出走しない(DNS)という選択をしても、次回大会の優先エントリー権はキープできます(ただし今回の参加費の払い戻しはなく次回大会では改めて参加費が必要)。大会が中止となった場合は全員に次回大会の優先エントリー権が認められるとされています(今回の参加費の返金や次回大会の参加費減免については検討中)。

UTMFを取材する立場の当サイトとしては、日本を代表するビッグイベントの中止は何としても避けてほしいと思います。でも、未だ治療法が確立されていない感染症を引き起こす新型コロナウィルスの収束に2週間後には目処がついているとは素人目には思えません。仮に目処がついたとしても、多くの人をわずかであっても感染のリスクにさらした上に、魅力の多くを失った状態で大会を開催するべきか、疑問は残ります。

参加する予定の皆さんには外出して街や山を走ることもままならない毎日が続きそうですが、当サイトも一緒にUTMFが出す結論を待ちたいと思います。

ウルトラトレイル・マウントフジ2019(ULTRA-TRAIL Mt.FUJI 2019) ウルトラトレイル・マウントフジ2019(ULTRA-TRAIL Mt.FUJI 2019)

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これはシューズではなく「ギア」だ。HOKA ONE ONEが「TenNine」を数量限定で発売

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HOKA ONE ONE(ホカ オネオネ)がまたトレイルランニングシューズですごいのを出してきました。

数量限定で世界同時に発売された「TenNine(テンナイン)」はかかとから大きくせり出してまるで羽のように伸びたソールを持つトレイルランニングシューズ。従来のトレイルランニングシューズにはない、「飛ぶように山を駆け下る」体験を提供するために、かかとから後ろのミッドソールを大きく広げて地面との設置面を最大限に。革新的な仕組みによってあらゆる地形を安定して長距離を走れるだけでなく、エネルギーを無駄なくスムーズに前進力に変えてくれる、といいます。HOKA ONE ONEによればこれは単なるシューズではなく、スキーブーツのようにトレイルランニングというスポーツに最適化された「ギア」と考えてほしいとのこと。

それにしてもこのかかとのボリューム感はすごい。日本では3月6日から公式サイトほか限られたお店で数量限定で販売されます。ゲットするにはハードルは高いですが、どんな走りごこちなのか気になります。

HOKA ONE ONE / TenNine(テンナイン)

  • 価格: ¥30,000+税(税込 ¥33,000)
  • 発売: 2020年3月6日(金)
  • 展開: Unisex(25.0 / 26.0 / 27.0 / 28.0cm ・ 1色 ・ 360g/27cm)※サイズは1cm刻みでの展開です
  • ソールスペック:オフセット4mm/ヒール33mm/フォアフット29mm

《販売店舗》

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